蜜のように甘ったるくてネットリした空間を引き裂いたのは凛とした声。夜空の月をバックに大きな弓矢を構えるのは永遠亭の院長である永琳であった。

永琳「話はウドンゲから聞いたわ。○○はその二人に騙されているのよ! 一度射精したところで体液のフェロモン化は全然収まらないわ」

ええっ、そうなの? 急にそんなこと言われても混乱してしまうが、誰よりも事情を知っているのは永遠亭のドクター達。俺はこちらの言うことを信用したい。

貴方「俺をハメやがったな!?」
幽々子「違うわよぉ。ハメるのは○○君のほうじゃない///」
紫「お望みならばハメることも可能だけれど……」
貴方「だまらっしゃい!」

だが、どうして永琳はこちらに弓を向けているのだろうか? 俺がそう疑問を抱くということは永琳も予見していたのか、すぐに説明が入った。

永琳「特製の弾幕矢に中和剤を仕込んであるのよ。この薬で体液のフェロモン化は収まるわ。今から飛ばすからそれに当たりなさい。大丈夫、痛みは普通の注射レベルだから」

痛いのは嫌だが恐らくこうやって邪魔が入ることを予見しての処置なのだろう。これなら遠くから投薬できるし。

貴方「分かった、この二人が黙って見ているだけとはとても思えない。サクっとやってくれ」

俺の反応を見て永琳はサムズアップすると、傍らで一緒に浮遊していたウサミミの少女に割と無茶な指示を出す。

永琳「ウドンゲ、あの二人を相手して注意を引きつけて頂戴」
鈴仙「あの二人ってまさか……ええっ!? お師匠様、無理無理無理無理!」

まあまず弾幕では勝てないだろう。実力者が二人がかりだし、この二人は妙に息ぴったりだし。

永琳「元をたどればウドンゲが食べ合わせの悪い物を患者さんに食べさせてしまったのが……」
鈴仙「だってあれは○○が勝手に……うぅ、わかりましたよぉ」

しぶしぶと二人に弾幕勝負を挑む鈴仙。案の定すぐに劣勢になったが、永琳が処置をする時間はできた。

永琳「他の邪魔が入らないうちに済ませましょう。よーく狙って……」

痛みが少ないとはいえ矢で貫かれるのだ。怖いので両目を固く閉じる……。

そしてシュッと矢を射る風の音がした。ああ、これで元通り……




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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