中和剤入りの矢に貫かれ、すべてが元通りになるはずであった。鈴仙の捨て身の囮作戦(紫と幽々子にもうボコボコにされてた)、永琳の必死な治療をもってしてこの忌まわしき異変が収まると誰もが思っていた。

貴方「なっ、コンパク!?」

だが、実際にはそうはならなかったのだ。誰が予想できたであろうか、このような事態に陥ってしまうとは。

コンパク「……!」

どこからか真っ白い霊魂が俺の目の前に浮遊すると、妖夢の姿を取る。そのまま小さな剣士の姿をした霊魂が永琳の放った矢を切り伏せてしまった。鬼の形相で月の頭脳を睨み付ける元半霊。彼女の目には俺が永琳にトドメを刺されそうなっているように見えたのだろう。

普通ならファインプレーなのだが、今回ばかりは事情が違う。だが、彼女にその真実を知るすべがないので責めようがない。しかし放っておくわけにもいかないだろう。このままでは余計な戦闘が始まってしまう。

貴方「やめるんだコンパク。永琳は敵じゃない!」

抜身の刀を手に飛翔するコンパクは永琳に斬りかかる。それをゆらりゆらりと回避していくとレーザー主体の弾幕でコンパクの動きを封じた。ハニカムの中に囚われたコンパクは動けぬまま魔力切れを起こして元の半霊の姿に戻る。

永琳「はぁはぁ……。ウドンゲもあれくらいガッツがあればいいんだけどね……」
貴方「ごめんなさい……」
永琳「まあいいわ。念のため中和剤はもう一つ用意したから」

次こそはと弓を構えてる月の頭脳。よし、来るなら来いと今度は目を見開いて待つ……が、肝心の矢を取り落してしまった。永琳が吹き飛ばされた雛とぶつかって手元が狂ってしまったようなのだ。

永琳「な、何事……?」

彼女の視線の先には満面の笑みを浮かべ、日傘を雛に向ける幽香の姿があった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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