雛に続いて衣玖さんも吹っ飛び、地面に膝をついていた。あの二人を倒してしまったのだろうか。
幽香「話にならないわね。二人がかりだというのにその程度?」
うずくまる二人になおも日傘を向けている。その真っ白い得物が白く発光した。マスタースパークの前兆……!?
俺がたじろいでいると雛が転がり込んでくるように俺の片腕に抱き着いてきた。
雛「本当の目的を忘れてはダメよ? いくら弾幕ごっこで優勢でも○○君をゲットできないと無意味なんだから。それに、これじゃあ攻撃できないでしょ?」
ギリと歯ぎしりの音を立てながら幽香は日傘を降ろした。あんな極太レーザー撃たれたら俺まで黒焦げである。一方の雛は勝手に腕を組むと満面の笑みで俺をどこかに連れ出そうとする。いつの間にか反対側にはリュウグウノツカイの妖怪もいた。
雛「さあ、貴方の体をむしばむ『異変』を追い出しましょう? 大丈夫、優しくするから」
衣玖「これは良い空気ではありませんね。私も付き添ってちゃんと『異変』が解決できたかチェックしましょう」
そうやってフリルな二人に連れ出されようとするが、その二人の目の前に立ちはだかったのは紫と幽々子であった。
紫「貴女では危なっかしいわ。さっきから異変だの悪霊だのって言っているけれど、本当のことなんて何も知らないでしょ?」
幽々子「そういうわけだから○○君は私たちに任せなさいな」
唖然とする雛から引き剥がされた五大老のお二人に優しく抱き止められる。仮にも一度屈服した相手。先ほどの蜜のような出来事がフラッシュバックして顔が紅潮する。
永琳「なんてこと! ○○のフェロモンでみんなおかしくなっているのよ! 早くさっきの矢を回収して彼を助けてあげないと。ウドンゲ、動ける?」
五大老のうちの二人を一度に相手した月のウサギである。一人を相手するだけでも命がけなのに、二人同時となれば当然満身創痍だ。力なく地面に突っ伏しているのは俺も見た。永琳はガクリと肩を落とすと腰をかがめて落とした中和剤入りの矢を探し始めていた。な、なるべく早くして……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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