がやがやと人が集まり熱気がむわっと伝わってくる。響子や一輪があちこち回ってグラスに飲物を注いで回っているようだ。それが一通り終わるのを確認した俺は目だけを一瞬白蓮に向ける。静かに彼女はコクリと頷くので、俺は咳ばらいをしたのちに、グラス片手に乾杯の音頭を行う。

貴方「本日はお忙しい中、このような妖怪のお寺に足を運んでくださり誠にありがとうございます。お寺という場所ではございますが、我々も幻想郷の一員としてより皆さんと親密になっていきたいという思いを込めて、本宴会を企画するに至りました。仏教には戒律というもの、たしかにありますが、それ以前に我々は幻想郷の住民であります。その幻想郷のルールに則ったうえでの……」

勇儀「スピーチはいいから早く飲ませろー!」
萃香「お酒がぬるくなっちゃうよー。はやくー!」

いかんいかん、乾杯の音頭はこんなかしこまらない。あとは流れに任せて乾杯してしまおう。グラスを掲げて最後に言い切る。

貴方「とにかく、来てくれてアリガトー! かんぱーい!!」

返ってくるのは数倍の大きさとなったカンパイの掛け声。グラスが軽く当たる音、おそらく乾杯の音があちこちで響く。あー、緊張して変な汗が……。俺も冷たいビールを飲んで落ち着こう。手にしていたグラスに注がれた黄金色のお酒をグイと飲みほした。

喉から腹にかけて清涼感。フウと一息つく。さて、上手く盛り上がっているかを見て回らなければならない。潰れてる人を見かけたら救助しないといけないし(特に早苗さんは要注意だ……)、俺は席を立ちゆっくりと見回りを行った。


ついに始まる宴会……。

さあ、失敗できないぞ。何としても成功させ、命蓮寺をよく知ってもらうんだ……。



○○争奪戦! プロローグ END

Chapter1

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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