一通り回ったが特に異常は見られない。後でまたもう一巡りしようと思い、自分の席に戻ろうとした矢先、何者かが俺の首根っこを掴みヒョイと持ち上げたのだ。
ヒッと小さい悲鳴を上げる俺。見ると一本角の鬼が俺を掴んでいるようなのだ。どうやらお酌に付き合えということらしい。
貴方「鬼と飲みあえるほどお酒強くないし、そもそも俺は幹事だから……」
勇儀「幹事おつかれさーん♪ まあ飲めや」
駄目だ、理屈が意味をなさない。勝手にグラスに見たことない酒を注がれ、飲まされる。あまりの度数の高さに喉が焼ける! 思わずゲホゲホと咳き込んだ。
勇儀「しょーがないやつだなー。少し薄めるか」
どうにか周囲の喧騒に紛れて脱出を試みようと周囲を見回すが、あいにく好機は訪れない。薄められた酒は相変わらずキツいものであったが、飲めないレベルではなかった。
こちらが口にしたのを確認すると腕組みして説教を始めた。もう既に酒臭いよ……
勇儀「こういうのはノリが大事なんだ。なんださっきのスピーチは!」
貴方「……すんません」
変に口答えせずに言いたいだけ言わせておこう。その方が早く解放される気がする。酒が回って来たのか、体がカッカと火照り始め、汗ばんでくる。
しかし終わりそうにない。というかさっきから言っていることが延々とループしている気がする。意識も朦朧としてきてこれはマズい。
勇儀「おい、聞いているのか、人間!」
そんな膠着状態は俺が何者かによって掻っ攫われたことによって突然終わりを告げたのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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