(○○のいなくなった宴会会場……)

辺りは騒然としていた。このような事態はほとんどの少女達にとっても想定外であったのだ。

争いが静まったことでおそらくこの混戦の中でボコボコにされていた永琳がよっこらせと起き上がる。

永琳「○○はどこっ? 彼の治療をしないと……な、なんということ!」

襲い掛かる絶望。体液のフェロモン化を中和する薬を仕込んでいた2本の矢はこの戦場の中でズタズタに引き裂かれていたのだ。

永琳「また調合し直さないと。ところで○○はいずこ?」

医者として患者の安否が相当気になるようだ。とはいえ中和剤を失ってしまったので今の永琳には何もできない。

衣玖「○○さんなら号泣しながら命蓮寺の中に……。おそらく私たちが争ったことに絶望したのでしょう」

フムと軽く俯く月の頭脳。

永琳「なるほど、涙も一種の体液ですね。それに心のこもった特別なもの。号泣していたそうなのでいくらかフェロモン化も収まっているかもしれません。ですが、○○の心は深く傷を負っている筈。この傷を癒すのは私の役目ではありません。それは……」

○○の心の傷を癒すことの出来る者、それはつまり○○に近しい存在であることの証明。

青娥「それならわたくしが……」
早苗「貴女だけはあり得ませんっ! 彼とは友人関係にあります、私が……」

それならばと我先に名乗り出る声が溢れると、次にそれを否定する声が返ってくる。いつしか言葉の応酬では済まなくなり再び弾幕沙汰になっていく。

白蓮「貴女たちには任せておけません! ここは私が行きますっ」

このままでは堂々巡り。白蓮が声高らかに名乗りを上げると不平不満の声など気にせずに命蓮寺へと入っていった。

紫「ちょっと白蓮。抜け駆けだなんてずるいわよ?」

永琳「彼との付き合いの長い白蓮さんが彼の心をケアするのに適任だと私も思います。紫さん、様子を見てみましょう」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら