貴方「うぅ……」

奇跡的に生きていた○○はヨロヨロと起き上がると周囲を見渡します。どうやら砂漠の気候とはまるで違う吹雪の舞う寒冷地に飛ばされてしまったようです。

ここがどこだかもわかりませんし、元の宮殿に帰る手段もありません。頼みの綱の魔法のランプも悪い魔法使いとなった大臣の手に渡ってしまい、いよいよ手詰まりです。

貴方「いや、まだ手はあった」

そう、○○は常日頃身に着けていた指輪のことを思い出しました。そう、指輪の魔神を呼び出してこの状況を打破しようと試みたのです。さっそく指輪をゴシゴシこするとネメシスを呼び出します。

貴方「ネメシス、お願いだ。どこか遠くに飛ばされてしまったみたいなんだ。元の宮殿に帰りたいよ」
ネメシス「……」

ところが指輪の魔神は黙り込んでいます。

貴方「聞こえなかったかい? 宮殿に帰るの!」
ネメシス「……(ぷいっ)」

なんと指輪の魔神は顔をそむけています。機嫌が悪いようです。

貴方「君しか頼れるのはいないんだ、お願いだよ!」
ネメシス「ヤナコッタ(べー)。モクモクノ、マジンニ、タノミナヨ」

どうやら○○がランプの魔神ばかりに頼りすぎて、ネメシスに構ってあげないものだから、この指輪の魔神はへそを曲げているようです。

貴方「雲山はもういないんだ。だから君の力が必要だ」
ネメシス「バカジャネーノ」

そうやって言い合いをしていると騒ぎを聞きつけたのかフードをかぶった女性が近づいてきます。

魔法使い(一輪)「あっ、アンタはあの時の坊や!」
貴方「ま、魔法使いのお姉さん!?」

お互いに意外過ぎる再会に声が裏返っています。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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