大声を上げて○○は驚きます。だって魔神は煙で出来た大男。とても一輪と親子には見えません。

一輪「そうね、○○には分からないかもしれないわ。それじゃあちょっと歴史のお勉強。
私達魔法使いの一族は吹雪が絶えず吹きすさび、植物もまともに育たない世界の果てに固まって暮らしているの。どうしてだかわかる? 昔の人間がね、私達魔法使いの能力を恐れて異端者扱いをしてこの世界の果てに追いやったのよ」

今度はどこからか赤いフレームの眼鏡を取り出して話しています。女教師のつもりなのでしょう。

一輪「魔法があるから生きていけるとはいえ、食べ物の確保も一苦労だし、何よりもここは寂しい場所なの。それでね、その状況を打破しようと立ち上がった魔法使いがいるのよ。それが私の父『雲山』なの」

あまりにスケールの大きい話に○○はポカンと開いた口が閉じません。

一輪「お父さんは魔法の力で困っている人を助けて回ったそうよ。だけど、心無い大人達に魔法使いって理由だけで捕まって火あぶりにされてしまったの。さらに残った魂は僧侶たちに捕えられ、あのランプに閉じ込められてしまったの。
それでも困っている人を助けるという意思だけは残って、ランプから出してくれた人を自分の主人とみなして助けるようになったのよ。でも何百年もランプの中に閉じ込められていたせいで善人と悪人の区別がつかなくなっちゃって……それであんなことになってしまったのね」

貴方「あの魔神にそんな秘密があっただなんて……」

雲山の生まれ故郷であるこの世界の果て。どこか遠くに投げ飛ばせと命令されて無意識下にここを連想して○○をここまで投げ飛ばしたのでしょう。

一輪「魔法のランプから解放する手段を得て、ランプのありかも突き止めるものの、魔法使い除けの結界のせいで中に入れなかったの。
それで仕方なくフードで顔を隠して、純粋そうな人間の子供にランプを取ってくるようにと依頼して回っていったの。でも失敗続き。
そうしているうちに『子供を誘拐して食べてしまう魔女』なんて噂まで出始めていよいよ諦めようと思った時、貴方に会ったのよ」

あの時自分がしくじっていなければ、変な欲を出さなければ、○○は後悔の念にとらわれてしまいます。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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