(その頃異次元空間では……)
青娥「むきー! まさか自分の能力でこんなところに閉じ込められてしまうなんて! ん、誰よあんた?」
バラカス「俺? 俺はバイドのマーラ様ことバラカスってんだ。ここでテ○ガの魔人をやってる。魔法のテ○ガをゴシゴシ擦ると穴から出てこれるから、その持ち主の願いを叶える。そんな毎日だ。とにかくよろしくな」
どうやらこの異次元空間は魔人の詰所のようです。
バラカス「んで、お前新入りの魔人か? ふーむ、魔法使いにしては随分と力を持っているようだ。よし、これも先輩の役目、案内しよう!」
バラカスによるとここは生前に悪いことをした魔法使いが魔人として善行を積む場所であり、こうやって持ち主の願いをかなえ続けることで解放されるらしいとのことです。
魔「神」ではなくて魔「人」。なのでネメシスや雲山とは似ているようでまた別のもののことのようです。魔人がここで善行を積むことで「魔人」から「真人間」になれるのだそうです。
様々な魔人がいるようで、マッチの魔人やターンテーブルの魔人なんかがいるようです。なかなか使われないような道具の魔人になるとそれはもう悲惨で、善行を積むチャンスすらめったに訪れないというありさまなんだそうです。
それで青娥は何の魔人になったのかというと……。
青娥「せ、石鹸の魔人ですって!?」
石鹸がゴシゴシ擦られる度に呼び出される魔人になったようです。それもお風呂用の石鹸。
バラカス「おっ、当たりじゃん。石鹸なら持ち主がお風呂に入るたびに使われるから、すぐに望みを叶えるチャンスが来るぞ。まあどんな願い事されるかは持ち主次第だけどな。
俺ももう少しで善行が溜まるんだ。お互いに頑張ろうな……おっ、さっそくお呼びがかかったか。それじゃあな、頑張れよ魔人の姉ちゃん!」
確かに毎日願いをかなえ続ければ善行もすぐに溜まるでしょう。しかし青娥は微妙な表情を浮かべます。
だってお風呂で石鹸を使っているときに呼び出されるってことは、持ち主は石鹸まみれで全裸、しかも自分の姿は妙齢の女性。もしも石鹸の持ち主が男性だった場合、青娥は自分に何を望まれるのか大体察しがついて今からゲンナリとしています。
しかし、青娥にそんな猶予は与えられませんでした。さっそく誰かが石鹸を使ったらしく、魔法の石鹸をゴシゴシとこすり始めたようです。
青娥「ひぇ~!」
無理矢理引っ張り出されるかのようにこの異次元空間から飛び出てしまう青娥。もちろん泡まみれです。そうやってへたり込んでいるとこの石鹸を使った「ご主人様」と目が合ってしまいます。
罪袋「な、なんだべ? 石鹸から美女が出てきたど!」
青娥「い、いやぁぁぁぁ!」
よりにもよって魔法の石鹸の持ち主は若い男。甲高い悲鳴が浴場中に響き渡りました。
これで反省するといいですね。
今度こそ本当にめでたしめでたし
あとがき
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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