執事なネズミに注意されたにもかかわらず、あまりの豪華さに終始圧倒されるイチデレラ。あまりあちこちをキョロキョロするのはみっともないので、イチデレラに話しかけることで注意を向けようとします。
ねずみ(ナズ)「王子様か……。どんな人なんだろうね? 少なくともこんな晴れの舞台で吐きそうになっているような冴えない男ではないと思うけれど……」
彼女たちの目の前には気分を悪くした若い男性がうずくまっていました。そんな彼を目にしてネズミの忠告も無視して慌ててイチデレラは駆け寄ります。
ねずみ(ナズ)「おい、こんな奴に構うだなんて時間がもったいないよ?」
イチデレラ(一輪)「そんなこと言っている場合じゃありませんよ。あの……大丈夫ですか!?」
差し出された手をギュっと握ると若者はスッと立ち上がりました。
貴方「な、なんとか……うぷっ。あまりに素敵なパーティだったので少しはしゃぎ過ぎてしまったよ。夜風に当たりたいんだけどまだ足取りがおぼつかない。すまないが手を引いてはくれないか?」
困った人を放っておけないイチデレラはもちろん快諾。執事姿のネズミはやれやれと両手をあげるジェスチャーを見せます。
ねずみ(ナズ)「まっ、イチデレラのいいところでもあるんだけどね。でもこんな調子じゃ王子様なんて夢のまた夢……」
そうつぶやいていると一人の女性が話しかけてきます。王子の世話役である秘書さんです。
秘書(衣玖)「止めないであげてね。理由は何であれ、王子が自ら女性の方と二人きりになろうとしたのです。ここは空気を読んであげましょう」
ねずみ(ナズ)「お、王子だって? 今の冴えない男が!?」
ここまで言ってハッと気付くとネズミはあわてて口をつぐみます。
秘書(衣玖)「今更口をつぐんでも遅いですよ。まあ本当のことですし、こういう祝いの席ですので、今回は見逃しましょう。私、空気を読むくらいしか能がないもので」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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