騒がしかったダンスホールですが、一度バルコニーに出れば喧騒は遠くの出来事。音もなく星や月が二人を謙虚に照らします。涼しげな夜風が王子○○の、そしてイチデレラの頬を優しく撫でています。

王子○○は何度か深呼吸し、そしてようやく気持ちを落ち着かせました。

貴方「ありがとう、心優しいお嬢さん。せっかくの舞踏会だったのに主催した僕がこんな様じゃ締まらないね。その……あの/// Shall we dance?」

そう。この若者こそ、この舞踏会を主催した王子その人。イチデレラはその事実を知り、頭の中が真っ白になってしまいました。星空のもと王子様と二人っきり。こんな状況普通はあり得ないことなのですから。

イチデレラ(一輪)「あわわわわわ……///」

こんな事態にまるで対応できないイチデレラは、恥ずかしさのあまり懐にしまっていた頭巾を深々とかぶり、うつむいてしまいました。そしてポツリと一言。

イチデレラ(一輪)「あ、あの……。私、ダンスとか実はよく分からなくて……///」
貴方「大丈夫、僕について来て」

優しくイチデレラの頭巾を取り去ると彼女の顔をまっすぐに見つめます。そのまま手を取る王子○○はゆったりとステップを踏み始めました。

イチデレラ(一輪)「こう……かな?」

その優雅な脚さばきに必死についていこうとイチデレラは足元を何度も確認しながら転ぶまいと必死に王子○○についていきます。

貴方「本当に初めてかい? とてもそのようには見えないな」

観客は無数の星々。たった二人のダンスを静かに見守っています。キラキラとした光の中、二人は回り舞い、踊り続けました。

貴方「君なら大丈夫。さあ、今度はお城の中で続きを……」
イチデレラ(一輪)「は、はい……///」

しっかりとダンスの練習をしたイチデレラは終始頬を赤らめながら、王子○○と一緒に城内へと戻ります。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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