初めての城内はだだっ広く、周りは知らない人だらけで不安で仕方がありませんでしたが、今はそんなことありません。だって、優しい王子様が傍にいるのですから。
突然見たことの無い美しいお嬢様、しかもその相手は王子○○となれば注目するなというほうが難しいでしょう。もちろん義姉であるクリスタルコア達も例外ではありません。
義姉B(シャイニングコア)「ちょっとお姉さま。あれって王子様じゃない?」
義姉A(クリスタルコア)「本当だわ。相手は誰かしら? なかなかの美人のようだけれど、あんな娘見たことがないわ。お召し物は私たちに比べれば地味だし決してダンスも上手というわけではない。どうやって王子様のハートを射抜いたのかしら?」
周りも音楽に合わせて回りながらもチラチラとイチデレラ達の様子から目が離せないようです。
イチデレラ(一輪)「みんなこっち見てるよぉ///」
貴方「まあ、僕も一応王子だからね。誰かと一緒にいるだけですぐ話題にされるのは仕方ないことさ。さあ、周りなど気にせずにもっと二人きりのひと時を楽しもう!」
王子○○はそのように諭すと踊りに集中するようにと促しました。
秘書(衣玖)「これは……決まりましたね。王子のパートナーはまさしくあの娘……さあ、夜はまだまだ長いですよ。二人とももっと親睦を深めて……」
遠巻きに秘書さんが王子○○の様子を見てどこか安堵しています。そしてそうやって夜は更けて……
突然大時計の鐘がゴーンと鳴り始めました。常時舞い上がりっぱなしだったイチデレラはその音にハッと我に返り、音のする方向を見ると……。
イチデレラ(一輪)「大変! 12時になってしまうわ!」
貴方「えっ!? 舞踏会はまだまだこれからだよ?」
イチデレラ(一輪)「でもごめんなさい。門限があるのよ!」
驚く王子○○を軽く突き飛ばすと、ドレスの裾を持ち、踵を返してお城から立ち去ろうとするのです。
貴方「待って! まだ名前も聞いていない……」
王子○○の声も届かず、イチデレラは走るにはあまりに不適切なガラスの靴で苦労してでも出来るだけ速く走ります。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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