そんなイチデレラの友達と言えば屋根裏に住むネズミや時折パンくずを食べにやってくる鳩くらいなものです。鳩はなんか屋台っぽいのを引いているので鳥の姿をしているけれど妖怪に違いありません。
ねずみ(ナズ)「私こんな役なのかよ……」
悪態をつきながらもネズミはイチデレラの手のひらに乗っかってパンくずを美味しそうに平らげています。
鳩(ビックバイパー)「だから鳩でもなければノッペリとした変な鳥の妖怪でもなくて超時空戦闘機だと何度言えばゲホッゲホッ……」
ねずみ(ナズ)「おじいちゃん、ムリしないで」
かつてはバクテリアン相手に奮戦した人類の希望の象徴だった銀翼「ビックバイパー」も、今ではすっかり旧式化してしまい、いろいろ丸くなったので退役して趣味のタイヤキ作りに励む老いぼれとなっていました。
鳩(ビックバイパー)「タイヤキも最近売れなくなってさ。ほら、幻想郷って酒飲み多いじゃん。だから鰻の屋台が人気なんだよ。ほいイチデレラちゃん、タイヤキどうぞ」
鳩の妖怪からタイヤキを受け取るとふーふーしながらイチデレラはそれを頬張ります。甘すぎず、素材の味を最大に生かした素朴な味に思わずため息ひとつ。
鳩(ビックバイパー)「本当はお金取るところだけどさ、でもイチデレラちゃんはすごく美味しそうに食べてくれるからちょっとくらいならサービスしちゃうよ」
なんか冴えないオンボロ戦闘機と言葉を話す不思議なネズミと語らっている間がイチデレラにとっての安息の一時となっていました。それでも眠るときは一人。淋しさに負けてシクシクと枕を濡らす日も珍しくありませんでした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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