ようやっと地上まで降り立った鳩とイチデレラ。王子と義母が揉めている声がここまで聞こえてきます。
鳩(ビックバイパー)「なんか面倒なことになってるな。でも王子様に真実を伝えないとね!」
それだけ言うと二人は躍り出ました。思わぬ第三勢力に驚きを隠せないテトランたち。
義母(テトラン)「なっ、閉じ込めて……ゲフンゲフン、家事を頼んでいたはずよ!」
新たな標的を見つけたとばかりにジリジリと詰め寄ります。
イチデレラ(一輪)「わ……わ……、私が……」
義母(テトラン)「うす汚い召使いが舞踏会にいるわけないでしょう。そ う よ ね ?」
イチデレラ(一輪)「あう……」
テトランに凄まれてイチデレラは縮こまり、頭巾を深々とかぶって立ち去ろうとしました。
義姉A(クリスタルコア)「あははは! 王子様の前だもの。そんな醜い顔をさらすわけにはいかないものね。イチデレラ、まだ口元が隠れていなくってよ」
再び巻き起こる下品な笑い。ですが、その姿をただ真顔でじっと見つめていたのは王子○○。
貴方「頭巾……。そうだ頭巾だよ! どうして忘れていたんだ? 僕の探している人は頭巾の似合う人だった」
しかし頭巾をかぶっていては顔がよく分かりません。その点を突いて義姉たちは口々に抗議を始めました。
秘書(衣玖)「そのためのガラスの靴でしょう? まあ減るものではないですし、王子がそこまで言うのでしたらこの召使いの女の試し履きも認めましょう。た・だ・し、履く前に念入りに足を洗うように」
秘書さんは他の従者にタライと水を用意させるとイチデレラの足を念入りに洗わせました。綺麗に水けをふき取ると、いよいよイチデレラがガラスの靴に足を入れます……。
義姉A(クリスタルコア)「どうせ合わないわよ」
義姉B(シャイニングコア)「せいぜい大勢の前で大恥晒すといいわ」
自分も靴が合わなかったことなど棚に上げて義妹をなじり始めます。そんな野次も気にせずにそっと足を入れるイチデレラ。すると……
貴方「ぴったりだ。一寸の狂いもない……。ああ、なんということだ。僕はついに出会えたのだ。お嬢さん、イチデレラというお名前だったのですね。ずっとずっと、探して回りましたよ」
王子○○は優しく手を差し出します。それをそっとイチデレラは手にすると、抱き寄せました。ですが、あまりの出来事にイチデレラは頭巾を深々とかぶったまま顔を出そうとしません。
イチデレラ(一輪)「あ、顔が近い……/// こんな、私なんかこんなでこんなだから恥ずかしいです……///」
貴方「そんなことないさ。もっと自分を誇ろうよ。さ、その綺麗な顔を見せておくれ」
優しい手つきで頭巾をゆっくりとめくりあげます。空色の髪、潤んだサファイアのような青い瞳、そして桃のように紅潮した頬があらわになります。そしてそのさらに下。桜色の唇は……
王子○○の唇と重なるのでした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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