お城は祝福ムードで包まれていました。とどまることを知らない紙吹雪に打ち上げられる無数の風船。大砲からは弾薬ではなくて色鮮やかな紙テープを大量に詰め込んだ砲弾が発射されて見事な祝砲として機能しています。
鳩(ビックバイパー)「うわぁー、想像していたのよりもすごいねこりゃ」
ねずみ(ナズ)「そりゃそうだよ。王族の結婚式だもの」
あふれんばかりの民衆の歓声に包まれてイチデレラと王子○○は幸せそうに寄り添いながらバージンロードを歩みます。抜けるような青空のもと二人はこうして結ばれて……
鳩(ビックバイパー)「ちょっと待った、今しずくが落ちなかったか?」
ねずみ(ナズ)「まさか、雨なんて降るはずないだろう? だって雲一つない青空……急に曇ってきた!?」
鳩が見上げると大きな薄桃色の雲がかかっていました。よく見るとそれはイチデレラの父親である雲山のもので、鳩の頭上に垂れたしずくの正体は花嫁を見送る父親の大粒の涙だったのです。
親父(雲山)「ウッ、ウッ……」
ねずみ(ナズ)「うわっ、また垂れてきたよ。そりゃあ家族だもんね。絶対見に来る……あれ? テトラン達は?」
そう、一緒に結婚式に出席しているはずの義母と義姉達が見当たらないのです。ネズミは今朝確かに結婚式へ向かうテトラン達の声を聴いていたのです。なのにこの場所にいない。ネズミは嫌な予感がし始めます。
鳩(ビックバイパー)「あいつら、何か変なこと企んでなければいいけれど……」
二人はこっそりと席を離れ、周囲を捜索します。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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