イチデレラの喜びようを見て魔女も会心の出来であったことが分かりご満悦。
魔女(白蓮)「うんっ、上手くいきました! あ、でも……貴女のイメージだともう少し青色が欲しいかも。それっ!」
再び巻物の光が体の一部を覆うとアクセサリー類まで出来るではありませんか。何よりも特徴的だったのはガラスのように透き通った不思議な靴。
イチデレラ(一輪)「すごい……! これならお城に行っても……あ、もう始まってしまうわ。今からじゃ絶対に間に合わない……」
明るくなった顔もまた曇ります。泣いてしまえば折角の晴れ衣装も台無しです。慌てて魔女がこの場を取り繕おうとします。
魔女(白蓮)「落ち着いて、イチデレラ! 乗り物も用意しますから……ね? そうですね……カボチャのようなものはありませんか?」
しかしここは屋根裏。カボチャなんてあるはずがありません。
魔女(白蓮)「女の子一人くらいなら私が背負って連れていくことも不可能ではないのですが、ちょっと不恰好ですよねぇ……困った」
そんな時、開きっぱなしの窓から丸っこい鳩が転がり込んできます。
鳩(ビックバイパー)「うぃーす。あれ、イチデレラちゃんどこ? えっあの子!? いやはやなんというか……おじさんはダイヤの原石と話してたんだなぁ///」
ドレス姿のイチデレラにドギマギする鳩の妖怪ですが、魔女は二人の間に割って入ります。
魔女(白蓮)「鳩さん。照れているところ悪いのですが、今から馬車になってはもらえませんか? いえなって貰います。いざ南無三っ!」
鳩(ビックバイパー)「えっ、馬車? いや馬車って何……ってか俺の意見聞いてぇー!」
老いぼれ戦闘機の悲鳴空しく巻物の光に包まれたビックバイパー。その魔力で丸っこかった体はスッキリとしたスマートなシルエットに。
そして彼が引っ張っていた屋台も豪華絢爛な馬車の荷台に代わっていたのです。ただ、元々の特徴からかタイヤキを作るスペースが残ってはいましたが。
鳩(ビックバイパー)「おっ、動きに長年失われていたキレが戻っている? まるで若い頃のようだ。それに全盛期のころの引き締まったボディまで! 屋台もなんかいい感じにグレードアップしてるし、アンタいったい何者だ?」
子供に戻ったかのようにはしゃぐ鳩の妖怪を魔女はただ微笑みながら見るのでした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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