⇒驚愕する
少し前にここで戦闘でもあったのだろうか。厨房はあちこちが破損していてとても使い物になるような状況ではなかった。その状況にポカンとするバイドシステムαとミッドナイトアイ。
その厨房の一角に黒いR戦闘機が放心状態でへたり込んでいるのを確認した。彼女こそこの紅魔館の主であるエキドナである。先に到着していたはずのウォーヘッドの姿は見えない。
エキドナ「妹が……ダンタリオンが……」
エキドナによると姉妹で厨房を使っていたものの、ダンタリオンが食材で遊び始めるものだから注意したまでは良かったものの、癇癪を起こして厨房で暴走、ここを滅茶苦茶に破壊したうえで逃走したのだという。
バイドシステムα「まあ食べ物を遊んでポイってのは叱らないといけないよね」
ミッドナイトアイ「じゃあウォーヘッドさんは妹様を連れ戻すために……」
ダンタリオンといえばバイド体を用いた緑色だったり紫色だったりするR戦闘機だ。ここでバイドシステムαは厨房を爆破したダンタリオンとすれ違ったのだと悟った。
バイドシステムα「しまった、あの時捕まえていれば……」
エキドナ「返り討ちにあうだけよ。癇癪を起したあの子は私にも手が負えないもの」
ほどなくして周囲の空間が歪みだす。ウォーヘッドが亜空間から帰ってきたようだ。脇にはションボリとうなだれているダンタリオンもいた。
ダンタリオン「いつも思うけど亜空間航行とかずるーい!」
ウォーヘッド「食べ物を粗末にするからですっ!」
壊した厨房はウォーヘッドが直すと言い出したが、エキドナの意向で二人で元に戻すと口にしていた。ひとまず一件落着となったが、これではしばらく厨房は使い物にならない。
バイドシステムα「困ったな。これじゃあお菓子が作れないぞ」
悩む三人であったが、ここでワイズマンとすれ違う。彼に事情を話すと別の本を取り出した。
ワイズマン「ああやっぱり、厨房の方で物音がしたかと思えば……。ダンタリオン様だからしゃーないな。ならばお菓子じゃなくて形で残るものをプレゼントしてはどうだ? というわけでフォースのレシピ本を持ってきたぞ。やっぱR戦闘機と言えばコレだろ、コレ!」
バイドシステムα「助かったけど、お前もアイちゃんにフォース作ってもらいたいだけだろ。そういえば前に駄目にしてたもんな」
そんなこんなで地下の工房へ向かう。お菓子作りと同じくフォース作りも初心者なので、とりあえずは簡単な「スタンダードフォース」を作り、後で文字やイラストを手書きでペイントするという案で固まった。
ウォーヘッド「大切なのは心……ってことだな」
意気揚々と制作に取り掛かろうとするが……
ウォーヘッド「……あちゃ?」
バイドシステムα「ん? どうした?」
ウォーヘッド「おかしいな……」
様子のおかしいウォーヘッドが何を見ているのか、ミッドナイトアイはひょいと彼の背中に乗りかかり奥を見る。遅れてバイドシステムαも。
ミッドナイトアイ「どれどれ? あーこれはこれは」
バイドシステムα「だから、どうしたんだよ? あっ……」
ウォーヘッド「バイドルゲンが無い」
ミッドナイトアイ「コントロールロッドも無くて」
バイドシステムα「作れない……」
三人「あぁ~あ」
その直後、バイドシステムαは二人の視線を感じる。
バイドシステムα「いや、確かに俺バイド系だからバイドルゲン使ってるけど『カーンカーンカーン』的なのはヤメテ!!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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