どうにか自分がフォースの材料にされるという事態を回避したものの、材料がないことには変わりない。

バイドシステムα「どうする、材料がないとフォースが作れないぜ?」
ミッドナイトアイ「そうですねぇ……」

ウォーヘッド「よし、アルファ。材料の調達をしてきて」

ないものは調達しないといけない。「じゃあ誰が」と議論になる前にウォーヘッドはバイドシステムαに押し付けようとした。それは不当だとしてウォーヘッドの腕を掴む。

バイドシステムα「待てや生首、お前も一緒に来い」

ウォーヘッドといえばパイロットの四肢が切断され、さらに機体に直結されるとかいう黒い噂のある戦闘機である。もちろん本人もこのことは気にしている。

ウォーヘッド「誰が生首だっ! ちゃんと胴体もあるっつーの。つーか俺は適任じゃないし」

バイドシステムα「なぜ俺だけなんだ?」
ウォーヘッド「魔道シーフだから。ほら、バイドは生体物理学や遺伝子工学の他にも魔道力学にも精通しているとかなんとか」

意外な理由にポカンと口をあんぐり開けるバイドシステムαであった。

バイドシステムα「いやいや、フォースとか使ってる時点で同じ穴の狢だろうが! つーか亜空間潜航とかいう種無し手品の方がよっぽどシーフ向けだろ」

ウォーヘッド「なんつーかさ、逃げ足で言えば、お前が最速で適任なんよ。夏の夕暮れで結構逃げ回ったんだろ?」

バイドシステムα「嫌なこと思い出させるなよ! しかも結局あの後撃墜されてボイスレコーダー取られちゃったし」

生首とか言った仕返しと言わんばかりにトラウマを掘り起こすウォーヘッド。そんなしょーもない言い合いのさなか、ミッドナイトアイが割って入る。

ミッドナイトアイ「あの~、盗むの前提なんですね~。普通に買えばいいのに」

バイドシステムα「払ったら負けだ」

素面でこんなこと言いだす。やっぱりバイドはバイドだった。

ミッドナイトアイ「たまには負けましょうよぅ~」

そのやり取りを見ていたウォーヘッド、何故か態度を変えてきた。

ウォーヘッド「うむっ、俺も同行しよう」
バイドシステムα「どうした、気が変わったか?」

ウォーヘッド「あなたの負ける姿が見たい」

バイドシステムα「俺は負けない! 負けてたまるかぁー!」

それだけ言い残すと工房から2機のR戦闘機が飛び出す。ポツンと取り残された偵察機が一言。

ミッドナイトアイ「それは結局、盗むということじゃあないですか~」


後編に続く……

後編

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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