(その頃人里上空……)
ピースメーカーA「どうした、得意のバイド生産はオシマイか?」
ピースメーカーB「ようやく倒し切ったようだな。ノーメマイヤー、年貢の納め時だ。大人しくお縄にかかれ!」
執拗な追跡に業を煮やしたノーメマイヤーは路地裏に隠れて身を隠そうと一瞬頭をよぎらせるも、追いかけてくるこいつらの独断場なのを思い出して思いとどまる。
ピースメーカーC「標的、逃走します!」
ピースメーカーB「ええい逃がすなっ! 追えっ、追えっ!」
ピースメーカーA「いや待てっ! 他のA級バイドの反応があるぞ!」
ほどなくして現れたのはレーザー削岩機のバイドであった。
ピースメーカーA「こいつ……『マイケル』か」
ピースメーカーB「いや、『ミヒャエル』だろ?」
ピースメーカーA「『マイケル』だっつーの!」
ピースメーカーB「キングオブポップとこんなバイド一緒にすんなよ! こいつは『ミヒャエル』で間違いない!」
実のところどっちも正解である。英語風に呼称すればマイケル、ドイツ語風に呼称すればミヒャエルってだけである。
ピースメーカーC「マイケル……、いやミヒャエル? ええい、とにかく敵バイド体から高エネルギー反応! 削岩レーザー、来ます!」
そんなしょーもない言い争いのせいでまたもノーメマイヤーを取り逃がす。さらにこの削岩機は削岩用のレーザーを今まさに追っ手に向かって照射し始めていた!
ピースメーカーA「あぶねっ!」
ピースメーカーB「コイツを手っ取り早くしとめるには……」
ピースメーカーC「敵バイド体、エネルギー充填中。背後から叩きましょう!」
持ち前の機動力でミヒャエルの背後に回ると空対空ミサイルを叩き込んだ。
ピースメーカーB「俺が一番乗りだ! ヒャッホー、手柄いただき!」
が、それよりも速くロックオン波動砲で仕留められてしまった。甲高い音を立てながら長いビームがミヒャエルを貫通、その直後に爆炎に包まれた。
ピースメーカーA「ヘイ兄弟……、昼の人里でロックオン波動砲はダメだと前に言っただろう! 間違えて民間人にロックオンしたら取り返しがつかなくなるだろうが!」
ノーメマイヤーの逮捕に手間取っていてお互いに苛立っているのが分かる。そんな中、冷静さを保とうと後ろで物静かにしていた別のピースメーカーが重い口を開く。
ピースメーカーC「A級バイド、人里はずれへ接近。奴を逃がすな、先回りして迎撃しましょう」
そんなこんなで早々と人里を抜けるR戦闘機たち。
バイドシステムαが人里に到達するのはそのもう少し後の出来事であった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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