(その頃人里上空……)

A級バイド「ノーメマイヤー」とピースメーカーたちのチェイスはいまだに続いていた。

ノーメマイヤー「ホントにしつこいなぁ……ゼェゼェ」

ピースメーカーA「凶悪なバイドは地獄の底まで追い回したるわ……ハァハァ」

既に両者ともに疲弊しきっている。だが、ピースメーカー側には勝算があった。わざわざこの場所にノーメマイヤーを誘い込んだ理由。そう、自警団本拠地が近いからであった。

バッとノーメマイヤーがまばゆい光にさらされる。慌てて両目を覆って向こう側をちらりと見ると……

ノーチェイサー「A級バイド、ノーメマイヤー! 貴様は完全に包囲されている。大人しく投降するんだ」

R戦闘機の増援だ。ノーチェイサーにレオ、ラグナロックまでいる。まさに最強の布陣だ。先ほど包囲した時とは比べ物にならない物量、しかもノーメマイヤーは疲弊しきっている。

誰もがもはやこれまでと思った時、ノーメマイヤーは急に落っこちた。いや、落ちたのではない、急降下したのだ。真下の建物を破壊すると甲高い悲鳴がこだまする。

ピースメーカーB「おい、あの建物って……」
ピースメーカーA「あれは寺子屋じゃないか。しまった!」

ノーメマイヤーはその巨体で屋根を壊すと、触手を伸ばして慧音先生や寺子屋の子供たちを捕え、再び浮上した。

ノーメマイヤー「詰めが甘いな、Rの系譜ども。お前らは昔からそうだった。おらよっ、どういう状況かわかるか? 少しでも近づいてみろ、このガキどもと半妖がどうなってもいいならな!」

子供たちの泣き叫ぶ声のなか、一人心折れずに説得を試みるのは慧音先生。

慧音「子供たちは解放してやってくれ。こんなに人質いらないだろう。私は残るから……」

ノーメマイヤー「うるせぇぞ、このワーハクタク! どうせ何か企んでるんだろう? 絶対に解放などしない! それに心地いいじゃねぇか。ガキどもが恐怖に怯えて泣き叫ぶ声は」

土壇場での人質。これではさすがのR戦闘機も手が出せない。

レオ「ひ、卑怯だぞ!」
ノーメマイヤー「ハンッ! 卑怯なのはどっちだろうな!?」

突然ノーメマイヤーの目の前の空間が爆発を起こす。すると数機の「サンデーストライク」が墜落して行った。

ノーメマイヤー「亜空間から攻め込もうったって無駄なんだよ! こっちにはベルメイトからくすねた亜空間バスターがあるんだからな!」

これでは接近することが出来ない。いい気になったノーメマイヤーは勝ち誇ったように続ける。

ノーメマイヤー「慈悲深~い俺様はまだ人質に手をかけないが、次はないと思え? さあ、武器を捨てて逃走用のブースターを用意してもらおうか。ああそうだ、カネも欲しいなぁ」

ピースメーカーB「こんな奴の言いなりになるなんて……」
ピースメーカーA「ダメだ兄弟。俺たち自警団は市民の安全が第一。これ以上抵抗したら子供たちに被害が及んでしまう。ここは大人しく武器を捨てよう」
ピースメーカーB「ちくしょう……」

次々と武装を解除していくR戦闘機たち。このままノーメマイヤーは逃げてしまうのか……!



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら