(その頃博麗神社……)

すっかり酔いのさめたバラカスはプラトニックラブと一緒に縁側に腰掛けていずれ来るであろうバイドシステムαを待っていた。

バラカス「しかしまあ手作りのフォースか。どんな出来だろうね? すっごく不恰好だったら受け取れる?」
プラトニックラブ「ううん、出来とかは関係ないよ。アルくんが心を込めて作ったフォースなら絶対に大切にするよ」

そんなことを話していると二人は空飛ぶ特徴的な肉の塊を発見した。

バラカス「お、来たみたい」
プラトニックラブ「うふふふふふっ」

一体どんなフォースを見せてくれるのだろう? ワクワクしつつ二人の目の前に降り立つバイドシステムαを出迎える。だが、彼のその足取りに活力がない。なんだかションボリとうなだれているようだ。

バイドシステムα「……ラブたん~」

ただならぬ様子だ。バラカスが不思議がっている。

バラカス「おや? 失敗したのかい?」
プラトニックラブ「そんな感じじゃないわ。どうかしたの?」

うなだれながらも紙袋を取り出すと中身を見せるバイドシステムα。本来ならここには色々とペイントをしたスタンダードフォースが入っているはずだ。

バイドシステムα「これ……」

しかしその中に入っていたのはバイドシステムαのような肉塊。そう、せっかく作ったフォースはノーメマイヤーと衝突した際に醜くバイド化してしまったのだ。

バラカス「フォースが見事にバイド化してるな。コントロールロッドまでまるごと……」

手にするとグチョと嫌な水音が鳴る。とてもプレゼントにふさわしいものとは言えないが、お返しにプレゼントをすると約束した身。涙を流しつつ、それでも差し出した。

バイドシステムα「ごめんな、こんなプレゼントで。ペイントがんばったんだけどね、色々とデザインしたフォースを、ラブたんに装備させたかった……」

いたたまれなくなり、バラカスは泣き崩れるバイド系戦闘機の背中を撫でる。イチモツで。

バラカス「アルファ……」

だが、すべてのフォースが肉塊になってしまったのだろうか? プラトニックラブはその点が引っ掛かるようで、改めて袋の中を覗き込む。すると肉塊と化していない部品もちらほらあることに気付く。

彼女が手にしたのはおそらくバイド化が進行し過ぎて本体がドロドロに溶けてしまった結果取り残されたであろうコントロールロッドの残骸と、蛍光ピンク色に染まったフォースの本体である。

コントロールロッドの残骸をバイドシステムαに手渡す。

プラトニックラブ「アルくん、ちょっとコレ持って」
バイドシステムα「うん?」

急に残骸を持たされても首をかしげるだけである。だが、プラトニックラブが持っているバイド化したフォースの本体と思しきものはなぜかピンク色に光っていた。

プラトニックラブ「それとこれ。ね、こーして合わせると……」

ピンクのフォースにまるでティアラのようにコントロールロッドをかぶせる。するといびつな形をしていたピンク色のバイド体は見事なまでにハートの形を取り、くぐらせたコントロールロッドは銀色となり、まるで結婚指輪にようになったのだ。

バイドシステムα「あは、はーと☆」

まさに二人の愛の結晶。鮮やかなピンクのハートは二人の穢れなき愛情のなせるもの、まさに「愛のフォース」といったところだろう。

プラトニックラブ「ほら、全然壊れてないよ。アルくんの気持ち。全然穢れてないよ。アルくんの心。フォース、絶対絶対、大切にするからね」

この時ほど救われたことはないだろう。バイドシステムαには彼女が天使のように見えた。

バイドシステムα「グスッ。ありがとう、ラブたん!」

流した涙をぬぐうようにバイドシステムαは彼女に抱き付いて顔を擦り付ける。

プラトニックラブ「じゃあ、がんばったご褒美!」

そういうとお互いの口が口でふさがれる。

バイドシステムα「んぐっ!? これがラブたんの……。柔らかくて美味しい///」

そんな二人を祝福するかのように二人の頭上で「愛のフォース」がピンク色のハート形波動を発し続けていた。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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