そんな二人に突然白いフラッシュが襲い掛かる。重ね合わせた唇を離すと何事かと周囲を見回すと、コロコロとしたPOWアーマーみたいなR戦闘機がガッツポーズをしていた。
こいつはスコープダック。偵察を主な任務とするが、ある程度の戦闘も可能なれっきとした戦闘機である。もっぱら幻想郷では写真を撮って回って新聞を発行する仕事に従事している。
よく間違われるが「スコープドッグ」ではない。
スコープダック「やりぃっ! バイド史上稀に見る純愛物語、いただきましたっ!」
まあやってることは平たく言うとパパラッチである。その後ろにはまた別の偵察機も控えていた。あっちもまた偵察機でありレーダーのジャミング機能を使いこなす「パワードサイレンス」というR戦闘機である。
バイドシステムα「あっ、何するんだよこのバカ犬っ!」
スコープダック「犬っ……!? ワンコじゃなくてアヒルだよ!」
プラトニックラブ「ちょっと、プライバシー侵害よ! この最低野郎のスコープドッグ!」
スコープダック「だから『ドッグ』じゃなくて『ダック』だと何度言えば(ry」
「バカ」とか「最低野郎」と言われたところは否定しないようだが、とにかく名前を間違われるのがどうしても我慢できないようである。
すっかり頭に血が上りバイドと言い合いを始めるパパラッチをたしなめるのはパワードサイレンスであった。
パワードサイレンス「撮るもの撮ったしもういいだろ? 早々にずらかるぞ」
バラカス「待てコラガキ! 撮影はちゃんと許可を取ってからっていつも言ってるだろ!」
イチモツを掲げて抗議するバラカスを尻目に2機のR戦闘機は立ち去っていく。
バイドシステムα「ねえ、俺いますっごくやりたいことあるんだけど」
プラトニックラブ「奇遇ね。私もちょっと今すぐやりたいことがあるのよ」
バイドシステムα「えっ、それってもしかして……」
プラトニックラブ「そう、パパラッチ退治よ! このアルくんが用意してくれた新型のフォースでね」
それだけ言い残すと不埒なR戦闘機を追いかけるべく、バイドシステムαとプラトニックラブは寄り添いながら博麗神社を後にした。
パワードサイレンス「うぎゃあっ! あいつら追いかけてきた。おいスコープダック、地面のネタを拾ってる場合じゃねえぞ!」
スコープダック「えっ、ちょっ! 急にそんなこと言われても……わあああっ!!」
かすかに遠くからパパラッチどもの悲鳴が聞こえる。再び静寂の訪れた博麗神社に残されたバラカスはぽつりと一言。
バラカス「付き合ってからの初デートにしちゃ随分と過激だなぁ。まっ、二人とも末永く……爆発しやがれ!」
最後にそう言い切るとバラカスは神社の中へと入っていった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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