(その頃紅魔館の門前……)


ぽかぽか陽気に誘われて、赤きR戦闘機は舟を漕ぐどころか鼻提灯を出してぐっすり眠っていた。

ケンロクエン「グーグー。突撃ケンロクエーン……むにゃむにゃ」

そんな彼女のこめかみにフォースが突き刺さる。

ケンロクエン「ギャーー!」

フォースの持ち主であるウォーヘッドがいつものように叱責した。

ウォーヘッド「寝てるな!」
ケンロクエン「ごめんなさいー」

頭を抱えながらグスグスと涙しつつ謝罪の言葉を発する。

ウォーヘッド「どーして寝ているんだ?」
ケンロクエン「ごーめーんーなーさーいー」

もはや言い訳の余地もない。ひたすら謝るしかなさそうである。少し虐めすぎたなと反省したウォーヘッドは語気を少し和らげた。

ウォーヘッド「門番の仕事をちゃんとやりなさい」
ケンロクエン「はい! がんばります!」

ビシと敬礼を見せるケンロクエン。彼女も居眠り癖があるだけで隙がなければ真面目な子なのである。

ウォーヘッド「これからがんばってくれるんだな?」
ケンロクエン「はい!」
ウォーヘッド「じゃあ、がんばってくれるんなら……、ほらよっ、フォースだ」

おそらくバイドシステムαが帰った後に手直ししたのだろう。スタンダードフォースではなくてちゃんとケンロクエンでも扱えるようにと改良型の「ディフェンシブフォース」になっていた。

ケンロクエン「これは……」
ウォーヘッド「プレゼントだ。お前、頑張りだけは一人前だからな」

うつむきながら頬を膨らませるケンロクエン。ブツブツと「『まだ半人前だ』って言われてるみたいです」と不満を漏らしながら。

ケンロクエン「……でもうれしいな」
ウォーヘッド「気に入ってもらえたか。そいつは、よかった☆」

出来を褒めてもらえるのは純粋にうれしいものだ。ウォーヘッドから自然と笑みがこぼれる。

ケンロクエン「ウォーヘッドさん、すみません」
ウォーヘッド「なに?」

少し屈むようにとジェスチャーするとその頬に唇を寄せた。

ウォーヘッド「あっ……」

そう、頬へのキス。ウォーヘッドの顔が火をともしたように赤くなるのが目に見えて分かる。

ケンロクエン「えへへ、お返しですよ。ウォーヘッドさん♪」

ウォーヘッド「うん、ありがとう……って違うっ! お前、仕事中に何を……/// こうなったら罰として……今日一日はちゃんと門番してるか傍で監視してやるからな!」

まーったく……とボヤきながらケンロクエンの傍に腰掛けて監視を始めるウォーヘッド。

監視の目も光っているだけあって、彼女はキリリと表情を引き締めて門番の業務に専念するのであった。

そしてそれを横から見ているのはウォーヘッド。監視という建前こそあるものの、その表情はどこかやわらかであった。そして思わず本音が漏れてしまう。

ウォーヘッド「いつもありがとうな、ケンロクエン」
ケンロクエン「ほえ? 何か言いました?」
ウォーヘッド「な、何でもねーよ/// ちゃんと仕事しろっ、仕事!」


おしまい

あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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