プラトニックラブ「わっ! ちょっとアルくん!?」
じっと瞳の奥を覗き込む。
バイドシステムα「ホワイトデイ! ごめん!! 忘れてた!」
見開かれた瞳。そうかと思うとバイドシステムαは踵を返し空へ飛び立とうとした。
バイドシステムα「そこでだラブたん! 悪いがもう少しだけ、追加で待っててくれないか? 待ってたらたぶん、俺様の素敵なプレゼントが先着1名様にもれなく配られることになるはずだ! たぶん!」
錯乱しているのか、「たぶん」と2回言っていた。慌てて飛び出さんとするバイドシステムαにワタワタするプラトニックラブ。この寸劇をただ一人冷静に見据えていたのがバラカス。
バラカス「つーか先着1名ってことは……俺の分はないのな」
バイドシステムα「バラカスはそのイチモツの如くたくましく生きていてくれ!」
エンジンの音が高くなる。出撃の時は近い。
バラカス「ちょっと待てや!!!」
そんな叫びはジェット音にかき消されてしまった。後には飛び立った後のバイドシステムの捨て台詞がこだまするのみ。
バイドシステムα「では諸君っ! サラダバー!!」
やはり感極まっていたのか、「さらばだー!!」の文字の順番がおかしいことになっていた。唖然とする二人。しばらくお互いの顔を見合わせるも声を出せるものはいない。鳥のさえずり、そよ風が靡く音だけが響く。
そんな中先に口を開いたのはバラカス。
バラカス「恋するバイドのパワーは凄いなぁ~。俺もバイドだけど」
色々なものを超越するともう呑気に現状を語るくらいが精一杯になる。が、そんなナチュラルな感想を物怖じすることなく言い出すものだから当事者は顔を真っ赤にしてしまった。
プラトニックラブ「え! 恋なんて……そんな、もう! バラカスったら……ばかぁ~///」
片手で頬を押えながらイヤイヤと首を横に振りつつもその表情は恋する乙女。されど、残された方の腕でバシンとバラカスの敏感なところを思い切りたたくものだから悶絶してしまう。
バラカス「否定できてねぇじゃん。もう分かりやす過ぎるからね? はいはい、ごちそうさま」
プラトニックラブ「えっ……/// じゃ、じゃあお粗末さまでした(ペコリ)」
バラカス「……」
プラトニックラブ「……」
開き直って応対するプラトニックラブ。今も小声で「いいじゃん……」とか言っているあたり実は振り切れていないのがまるわかりである。
バラカス「あーっ……、でもアルファがお返しを忘れてたとはねー」
プラトニックラブ「ううん、いいのよそんなこと。私はアルくんといっしょにいるだけで幸せを感じられるんだから」
それを語る乙女は実に幸せそうである。先ほどのブラウニーも甘いお菓子であったが、そんなのとは比べ物にならないほど甘々であった。
バラカス「ゲップ。もうお腹いっぱいだよ。ごちそうさま」
プラトニックラブ「お粗末さまでした(ペコリ)」
プラトニックラブ「……」
再び気まずい沈黙が流れる。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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