そう、現れたのはウォーヘッド。近くで亜空間に潜り込んでいたのだろうか、的確に亜空間から脱出すると本を手にするバイドシステムαに銃口を向け、ショットガンレーザーを発射。手にしていた本を吹き飛ばした。

バイドシステムα「うぉっ!」

ウォーヘッド「まーったく……、また性懲りもなく泥棒に来たの?」

懲りないのは本当のようで何食わぬ顔であいさつを始めるバイド系R戦闘機。

バイドシステムα「ようウォーヘッド! 今日も素敵な手品をありがとう! さすが『突き抜ける最強』だな」
ウォーヘッド「そんな調子よく褒めても何も出ねぇよ。それにしてもお前は相変わらず騒々しい奴だな」

本の盗難事件は事前に阻止されて事態が収束してしばらくして、息を切らしながらまた別のR戦闘機が接近してきた。

ミッドナイトアイ「はぁはぁ……、ワ、ワイズマン様。またバイドが、やらかしたんですか!?」
ワイズマン「その言い方だと、漏らしたみたいだね。現にこいつケツから何か出してたし」

バイドシステムα「波動砲だよ! スカな展開とかやめてくれ!」

漏らした排泄物がゆっくりとこちらににじり寄ってくる様はあまり想像したくない。

ミッドナイトアイ「それは大変失礼しました(ペコリ)……じゃなくて! アルファさんいい加減壁を突き破ってくるのやめてくださいよぅ!」

ワイズマンやウォーヘッドの対応が速いので、既に済んだ案件について口にするが、案の定スルーされてしまう。バイドシステムαはこののろまな索敵機の前にずいと出る。

バイドシステムα「そうだウォーヘッド、あとで厨房貸してくれないか?」

そう、本来の目的はお菓子のレシピとそのレシピ通りに料理を行う場所、つまり厨房でありバイドシステムαはここで本を借りてお菓子を作るつもりでいたのだ。

ミッドナイトアイ「ってアルファさん全然わたしの話聞いてないし。わたしイジケちゃうし」

何せ相手は色々と規格外のR戦闘機だ。今は泣いてもいいと思うぞ。必然的に話題の輪からは外れるけれど。

ウォーヘッド「厨房だって? なにか作るの? さすがに厨房はあとで返してね」
バイドシステムα「ああ、アレは俺のポケットには、ちょっと大き過ぎるからな」

ポケット何処だよと困惑しながらジロジロとバイド系機体を見つめるワイズマン。で、日ごろから本の盗難被害に苦しんでいるからか、こんなこと言いだす。

ワイズマン「あっ! 本をデカくすれば盗まれない?」
ミッドナイトアイ「そーいう問題ではありません!」

盗難対策の話がなされることなど知らず、ウォーヘッドとバイドシステムαは厨房を使うということで話を進めていく。ウォーヘッドはこいつが何故そんなガラでもないのに料理なんてはじめようとするのか推理をしていた。

ウォーヘッド「……で、プラトニックラブ絡みか(からかい)?」
バイドシステムα「いや……まあ……そう、ラブたんに、美味しいお菓子をプレゼントしようと……」

小さく「プッ」と息が漏れる音がしたかと思うと、どっと笑い声があふれ出した。

ワイズマン「ぷっはははは! 随分と乙女な作戦だな!」
バイドシステムα「いーじゃん、目には目を、歯には歯を、お菓子にはお菓子をだ」
ワイズマン「だからって……ラブたんwww ラブたんwwwwww 腹筋がwwwwwww」
バイドシステムα「むぅ……///」

からかうネタが出来たと喜ぶワイズマンは今も顔を真っ赤にする肉塊を見て笑っている。そんな状況に一石投じるのはウォーヘッドであった。

ウォーヘッド「まあしかし面白いかもわからないな。どれ、俺も作ろうか」

三人「え!?」

ここで笑いものにし続ければウォーヘッドまで笑いものにしてしまうことになる。ワイズマンはあわてて口をつぐんだ。しかし急に何を思い立ったのだろうか。

ミッドナイトアイ「えーと、お嬢様にでしょうか?」

ウォーヘッド「さ、さぁな……」

顔を逸らすウォーヘッド。無駄な追及を避けるべくこの話を先に進めることを試みた。後ろからバイドシステムαの方を掴む。

ウォーヘッド「というわけで、一緒に作るぞ、アルファ☆」
バイドシステムα「ええいっ、顔が近いっ! つーかいいよ! お菓子くらいひとりで出来るって!」
ウォーヘッド「お前だけだと、料理が出来ても厨房がバイド物質だらけとかいう大惨事になりかねないから監視の意味も含めてだ!」

理にはかなっている。なんたってこいつは見た目がバイドそのものだし。

ワイズマン「あっ(察し)」
バイドシステムα「察してんじゃねぇ!」

野郎どもがやいのやいのしている傍らでおずおずと紅一点が声かける。

ミッドナイトアイ「あの~、私もご一緒してよろしいでしょうか?」

ウォーヘッド「ワイズマンにでもプレゼントするん?」

ミッドナイトアイ「えっ/// ……は、はい!」

ウォーヘッド「アイちゃんのお菓子は好きだよ。やさしい味がするから」
ミッドナイトアイ「はい!! 精一杯がんばらせて頂きます///」

かくしてRの系譜三匹は様々な思惑を胸に厨房へ向かうのであった。

バイドシステムα「厨房にはR戦闘機3機……。R戦闘機が3機揃えば……」
ミッドナイトアイ「牙をむくんですか?」
バイドシステムα「アイちゃん、俺はスズメじゃないよ」
ウォーヘッド「ちゅちゅんがちゅん♪」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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