何か胸騒ぎがしたのだ。良くないことが起きるのではないかと。霊夢が一人でオカルトボールの調査に向かうと言い出したあの時のことである。

霊夢が異変の犯人に完膚なきまでに叩きのめされてしまうのでは、途中で不幸な事故に遭ってしまうのではないか。その胸のザワザワが私の足を博麗神社へと運んで行った。そこで私は信じがたいものを目にしてしまったのだ。

紫「ちょっと何よコレ!?」

幻想郷を外の世界から隔離する「博麗大結界」。よりにもよってその結界の要たる博麗神社に大きな結界の穴が開いていたのだ。向こう側に外界の景色まで見える。

言わんこっちゃない。霊夢ったら異変の解決に執心し過ぎて結界を維持することを忘れているわ。

紫「霊夢っ、貴方の家の結界が大変なことになっているわ? 結界よ! 結界が綻んでいるの!」

あの子は気を抜くとこうやって結界を緩めてしまう。その度に私が注意していくことになるのだ。今回もスキマを用いて私の声を霊夢の傍に送り込む。「しっかり結界を管理しなさい」というメッセージを伝える。しかし返事がない。

紫「ちょっと霊夢っ! 聞いているのかしら!?」

今回は結界が緩むどころか壊れてしまっている。居留守なんて使ってやり過ごそうとしているに違いない。早く閉じないと大変なことになるというのに。だが、いくら叫んでも全く反応が見られない。

紫「霊夢……? 霊夢っ!?」

否応なしに膨れ上がる不安感。いくら呼びかけても反応のない霊夢。さすがの私も異常だと感じた。もしや調査の途中で誰かにやられたのでは?

このままスキマに潜り込んで霊夢をたたき起こすか? いや、それはリスクが高い。もしも霊夢と敵が交戦していた場合、最悪スキマから飛び出した瞬間に手痛い一撃を喰らう可能性もある。それに私の存在はいわば切り札のようなもの。出来ることならスキマの能力を、とっておきの手段を敵に明かしたくない。

紫「藍、橙。出てきなさい!」

ゆえに私がスキマで呼び出すのは巫女ではなくて式達。ただただ命じたのは霊夢の捜索。もちろん私も足を使って探し回る。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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