橙の証言をまとめると、霊夢は香霖堂付近で青娥とオカルトボールの取り合いをしていたということになる。

いつもの青娥なら霊夢の敵ではないだろう。だが、今の彼女は大きな後ろ盾を、とんでもない切り札を隠し持っている可能性が高い。

紫「助太刀に向かうわ。私一人でいい。藍、もしも私に何かあったら結界の管理は貴女に任せる」

二人をスキマの外に解放しようとする。だが、藍がそんな私につっかかってきた。

藍「待ってください紫様! 先程の物言いですと、まるでこれから死にに行くように聞こえます。そんな戦いに一人で行かせるわけにはいきません! 青娥とやらがそんなに脅威的な相手なら私達も一緒に……」
紫「足手まといになるだけよっ!!」

いけない、つい怒鳴り散らしてしまった。私は深呼吸をすると出来るだけ語気を落ち着かせ諭すように続ける。

紫「藍、今の青娥は普通ではないの。貴女をこのことに巻き込むわけにはいかないのよ。分かって頂戴。そんな心配せずとも藍だって結界の運営は出来るでしょう? 免許皆伝よ。それにちゃんと帰ってくるから、私に何かあるだなんてもしもの話なんだから。だからそんな悲しそうな顔をしないで」

藍の頬を優しく撫でながら落ち着いた口調で諭す。落ち着かせるのは藍だけでなく、私自身もかもしれない。

式達を連れて、もしも全滅してしまったらいよいよ幻想郷が崩壊してしまう。それだけは避けなくてはならないのだ。

紫「また会いましょう。藍、私に楯突いてくれて嬉しかったわ。主人が間違った道に進みそうになったら止める。今までの貴女に足りていなかったことよ。橙、貴方の大事な主のこと、任せたわ。ではしばしのお別れ……」

それを最後に二人をスキマの外に追いやる。これでいい、これでいいのよ。今の青娥には霊夢も勝てないだろう。あの巫女をもってして打破できない状況にあの子達を巻き込むわけにはいかない。待っていてね霊夢、すぐに助けに行くわ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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