いつでも、いつまでも展開できて、なんでも防いでしまうシールド。ただしそれは光学兵器に限った話。物理的なダメージには全く対応できないという弱点があった筈。私は青娥の真上にスキマを呼び出すと、墓石を落としまくる。

紫「そのままお前の名前を刻んでやる。その驕りと共に往ね!」

やはりそうだ。せっかくのバリアも実体のある墓石を阻む事は出来ず、青娥にぶつかっている。だが、これでは決定打にならない。驕り。そう、奴はこちらを完全に見くびっている。ならばその虚を突くのが最も有効である。私は再び弾幕を放った。

青娥「墓石は弾切れかしら? 石は防げなかったけれど弾幕は全部防いでしまいますわ」

そう宣言する通り、青娥の展開したバリアに私の弾幕ははじき返される。だがそれでいい。私は隙間を通じて一気に青娥と距離を詰める。次の瞬間、反射された弾が爆ぜた。

紫「(にやり)」

青娥のひきつった顔が見えた。ようやくこの後何が起こるのかを把握したのだろう。それはほとんど一瞬の出来事。私を狙った光の矛はその傍にいた青娥をも貫いたのだ。肝心の貫くべき私はというとスキマの中に逃げ込んでいる。

青娥「あが……」
紫「やはり、今のは『ゾディアック・オヒュクス』の閃光。またの名を……『フォトンブラスター』。その光はバリアをも貫く矛になる。それは自分自身のバリアも例外ではないって事よ」

地球に放たれた「ゾディアック」の名を冠する12機の光翼兵器たちは、前もって地球に送り込まれ、眠りについていた裏切り者の「ゾディアック・オヒュクス」によって次々と屠られていった。彼らは光学兵器を何でも反射してしまうシールドを持っていたが、無敵の盾を突き抜ける矛「フォトンブラスター」を持っていたオヒュクスには敵わなかったのだ。

青白いバリアを貫通した光の矛。スキマから脱出し丁寧に解説をする。もっとも聴いてなどいないだろう。そのまま邪仙は地面に落ち、同時に3つの球体が私の手元に舞い込んでくる。これで……よし。私は青娥から奪った3つの球体を手にする。わずかにチクリと手に何か刺さる。まったく、最後の最後まで嫌がらせをするか……ん?



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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