青娥「くくく……。最後に笑うのは結局このわたくしのようですわね。それ本当にオカルトボール? よーくご覧になってみては? あは、あはははは!」
急にムクリと起き上がる青娥。まさか……!
オカルトボールだと思って受け取ったもの、その一つはオカルトボールではなくてキョンシーの首であった。その鋭利に伸びた牙が私の手に思い切り噛みついていたのだ。やられた! 慌てた私は芳香の首をふりほどこうとするが、その牙は深々と刺さっておりなかなか抜けない。
青娥「知ってますか、賢者サマ。キョンシーに噛まれたものは、キョンシーになってしまうんですわ。もう腕の感覚がなくなっているのではなくて?」
必死にブンブンと振り回してようやく芳香の牙が外れた。だが、戦慄する。痛みがないのだ。さらに芳香に悪戦苦闘しているうちに……。
青娥「スキだらけですわ♪」
紫「がぁぁぁっ!」
モロにどす黒い弾を喰らってしまった。思わず私はフラフラと墜落。青娥は待ってましたと言わんばかりにキョンシーを地面から呼び出しており、私に襲わせる。
四肢が上手く動かせない今の私では逃げることも反撃することもままならない。そのまま袋叩きにされてしまう。しまった、首筋を噛まれてしまったわ。
青娥「まあ大変! このままじゃ負けてしまうわ! どうするの、紫? 早く考えてっ! 早くしないと脳みそまでキョンシーにされちゃうわ! あっははははは……」
まずは逃げないと。しかしロクに曲がらない関節ではそれすらも困難。どうしよう、どうしよう……。駄目だ、キョンシー化のせいか、焦っているせいか思考がまとまらない!
紫「な、なめるなぁー!」
渾身の一撃。全方位に魔力を拡散させる。弾幕というにはあまりにも下品なもの。それでゾンビどもを再び土に還してやるには十分な威力が出せた。だが、もう限界だ。ここまでキョンシーに引っかかれたり噛みつかれたりしたのだ。さすがの私も耐えられない……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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