プツンと何かが切れる感覚を覚える。これは私達式神が感じるもっとも忌み嫌うべき感覚。主を守り切れなかった式失格の感覚。だがハッキリと認識できてしまったのだ。私は直属の式だからすぐに分かった。紫様との繋がりが切れたことが。あの戦いで紫様に何かあったに違いない。

やはり紫様はあの時死闘に赴き、そして今はもうこの世にいないのだ。どうしてもっと強く引き留めることが出来なかったのかと自分を責めながらも、直前まで紫様がいたと思われる場所に私は引き寄せられていった。

最後に確認したのはこの辺りだけど……。

藍「そんな……そんなまさか! 博麗の巫女までもが……」

なんということだ。紫様に続いて博麗の巫女までがやられてしまったのか。そうしているうちに気を失った血まみれの霊夢(と傷の手当てをする香霖堂の店主)の姿を発見する。橙は藍の後ろで目を覚ますようにと声をかけ続ける。

橙「おきてー!」

しかし、かなり手厳しくやられたのか、霊夢は目を覚ます兆候を見せない。

橙「どうしよう……。お医者さんを呼ぶ?」
霖之助「まだ辛うじて息はある。だが、すぐに最良の医療施設で適切な治療を受けないと恐らくは……。永遠亭だ、そこへ向かおう」

うむ、橙や彼の言い分は至極真っ当だ。だが……。

藍「いいやダメだ。紫様が行方不明な上に霊夢までこんな状態であることが明るみに出たらきっと幻想郷の人々は混乱してしまうだろう。二人とも博麗大結界と密接な関係を持っているからな」
霖之助「体裁を気にしている場合ではないよ。博麗の巫女に万一のことがあったら……」
藍「うう、返す言葉もない。では永琳には内密にと伝えるか。ああもちろん君もこの件については他言無用だ」

私は空を見つめる。

藍「高高度を通って永遠亭に向かうぞ。橙、ついてこれるかい?」

「もちろん!」と元気よく返事をした猫又は小さい体でよいしょっと紅白の巫女の体を持ち上げる……が、流石に一人では重たいらしく、ヨタヨタとよろめいてしまう。慌てて藍が霊夢の腕を取る。そのままふわりと浮かび、竹林へと向かっていった……。

藍「(博麗の巫女に万一のことがあっては大変だ。どうにか息を吹き返してくれればいいが……)」



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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