霖之助「いらっしゃい……ああ、また霊夢か」
分厚い本を読みふけりながら素っ気ない挨拶をする店主。恐らく片付ける気などさらさらないであろう無数のガラクタを押し分けながら、私は少しかび臭い部屋の奥へと進み、店主に話しかける。流石に本から視線を片目だけ外した。
霖之助「また巫女服がほつれたのかい? 妖怪退治に精を出すのも結構だが、君だって女の子なんだ。もう少し身だしなみに気をつけて……」
霊夢「違うわよっ! 最近奇妙な紫色のボールが飛び交う異変が起きてるでしょう? そのボールを見せに来たのよ。霖之助さんなら、このボールのこと何か分からないかなって……」
それだけ早口で告げると、3つのボールを店主に押し付ける。やれやれとため息をつきながら霖之助さんはボールを撫でたり、至近距離で凝視したりと鑑定を始めた。
霖之助「こいつは『オカルトボール』。そしてその用途は……そ、そんなまさかっ!?」
ガタッと立ち上がった霖之助さんは片手で読んでいた本を乱暴に机に置くと私に詰め寄ってきた。
霖之助「霊夢、このボールをどこで手に入れてきたんだ? こいつはとんでもない代物だぞ! 名前はオカルトボール、その用途は結界を破壊し、外の世界と幻想郷を繋ぐもの……!」
結界? 結界といえばこの幻想郷を外の世界から隔離させている博麗大結界で間違いないだろう。いったい誰が何の為に?
霖之助「そしてこれらの材質は幻想郷では見られないものばかり。これは僕の推理だけど、外の世界の何者かが、この幻想郷を破壊しようとしているって仮説が成り立つ」
霊夢「そうだとしたら一大事じゃない! すぐに紫を呼んで……」
霖之助「いや待つんだ」
慌てる私を霖之助さんはゆっくりとした口調で引き留める。一つのボールを手にしながら。
霖之助「今の情報だけで彼女にこのことを伝えるのは余計に混乱をもたらすだけだ。さらに調査が必要になるだろう。というのも、僕の力ではこのボールがどう結界の破壊に結びつくのかが分からない。それに本当に外の世界の人間が犯人なのかも疑わしいんだ」
そういうと、霖之助さんは手にしていたボールの一つを見せてくれる。だが、私には他の二つとの違いなんて全然分からない。
霖之助「それがね、よく調べてみるとこのボールだけ材質が外の世界のものではないのだよ。幻想郷のものだ。だから僕も混乱している。一体犯人はどこから結界を破壊しようと……? 待っていてくれ、今このボールが幻想郷のどこで作られたものなのかを更に詳しく調べてみる」
???「その必要はありませんわ」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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