一陣の風が香霖堂を吹き抜けた。そうかと思うと、何か見えない力で霖之助さんは持ち上げられると、ギリギリと首を絞めつけられている。

霖之助「がはっ……!」

そのまま首を押さえつけながら、空中でもがき苦しんでいる。

誰がこんなことを! そしていったい何処から? 周囲を見回し、そうして私の浅はかさを呪うことになる。ああ、なんということ! 入口の扉が開きっぱなしじゃない! どうせ大したものではないだろうと高をくくり、すぐにここを立ち去るべく私は扉を開きっぱなしにしていたのだ。

恐らくは霖之助さんを痛めつける犯人はすぐ外にいる。お札と御幣を握りしめ、私は香霖堂から勢いよく飛び出す。不気味な女性の笑い声だけが何処からかこだましていた。

霊夢「姿を現しなさい!」

後ろでドスンと何かが落ちる音がする。ああっ、霖之助さんが床に倒れ込んで意識を失っている! そしてまた見えざる力で霖之助さんが店の外へ引きずり出されそうになっている。いけないっ、これ以上霖之助さんが傷つけられたら……。

霊夢「夢想封印!」

光を帯びたお札を香霖堂の入り口に投げつけて貼り付ける。ひとりでに扉は閉まった。ただ扉を閉めただけでなく、魔力の類を寄せ付けないバリアのような機能もあるお札だ。これで霖之助さんに危害を加えることは出来なくなる。あとは不意打ちなんてしてくるいけ好かない妖怪を退治するまでだ。

???「あらあら、人質にしようとしたのに、随分と頭が回るのね」
霊夢「もう一度言うわ。姿を現しなさい、この卑怯者!」

それだけ言うと魔法の森の大木、そのうちの一本に丸い亀裂が走った。するとまるでくり抜いたかのように大木に穴が空き、そしてそこから出てきた姿に私は驚愕を隠せないでいた。

そんなっ! だってこいつは……



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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