負けを認めたのを確認すると白蓮さんは彼女を抱いて再び湖へと戻す。そのわかさぎ姫だが、俺達には敵わないと悟ったのか、今はもう大人しい。
貴方「教えてくれ、紫色の玉を奪っていった悪い奴の事」
わかさぎ姫「うぅ、約束だから教えるわ。『彼女』がやって来たのは、確か水底で光る玉を拾って飾った少し後のことだったわ。その紫色の玉を売ってほしいって私にお願いしてきたんだけど、提示してきた代金があまりに安かったの。そのことをやんわりと指摘したら、『彼女』は急に乱暴になってひとしきり私を痛めつけた後に紫色の玉を奪っていって……うぅ……うわぁ~ん!」
泣き出してしまったわかさぎ姫を白蓮がそっと抱き寄せる事で慰める。それにしても乱暴な商人がいるものだ。値段が合わないからと言って暴力に訴えて、おそらく最初に提示した代金も払わずに奪っていったのだろう。
わかさぎ姫「私、とっても悔しくて悔しくて……だけど私では『彼女』に絶対に勝てないの。だって、水の中での動きにもキレがあるし、だというのに陸地でも問題なく活動できるんだもの。そう、私から紫色の玉を奪っていったのは河童の……」
そう続けているうちに上空からバラララと大きなプロペラの音が響く。陽光が遮られ、俺は反射的に空を見上げた。
プロペラはこんもりと大きく膨らんだ緑色のリュックサックを吊るしていた。あまりに大きく膨らんでおり、下手したら持ち主よりも大きく膨らんでいるかもしれない。そしてそのプロペラ付きの奇妙なリュックサックを背負っていたのは河童であった。
にとり「ボールの反応がこの辺りで出たから、まぁた陸では何にも出来ないわかさぎのくせに生意気にもボールをどこかで拾ってきたと思ったら……げげっ○○! どうしてお前までいるんだよぅ!?」
こいつが犯人かとわかさぎ姫に目で問いかける。彼女は無言でコクリと頷いた。
貴方「どうしてもこうしてもない。前に白蓮さんが全部集めたら星がどこかに消えてしまった。その謎を追う為にこうやってボールを集めている」
俺はそのまま懐から自らのオカルトボールを取り出して見せる。
貴方「探す手間が省けてよかった。そのボールは今の異変の真相に迫る唯一の手掛かりだ。理不尽な暴力に晒されたわかさぎ姫の為、我らが本尊を救出するため、悪いがいただくぞ!」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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