驚愕した。今度もすんでのところでスルリと抜けるものだと思っていたのだ。しかし、結果はそうならなかった。
慌てた俺は回避行動を取るも、機体に少しかする。まあこの程度ならさしたるダメージは……。
貴方「ぎゃああっ!?」
あり得ない、あり得ないほどの衝撃がアールバイパーを襲った。嘘だろ、ほんの少しかすっただけだぞ? だというのに、強烈な一撃をモロに受けた時ほどに銀翼は深く傷ついていたのだ。なぜ……なぜだ……。
貴方「はっ、まさか!」
俺は名古屋撃ちの特徴を思い起こしているうちに恐ろしいことに気が付いてしまったのだ。あくまで名古屋撃ちは至近距離からの射撃をいなす技。近接攻撃には対応しづらいのだろう。恐らくはほとんど零距離からの攻撃の身をいなせるだけで、さっきのような突進の類には適応できないのではないだろうか。
弱点はまだある。そもそも「スペースインベーダー」で名古屋撃ちが成立するときはどんな時だった? それは侵略一歩手前の時だった筈だ。侵略されると残機に関係なくゲームオーバー、終わりである。確か名古屋の名前の由来の説の一つに「あと一段でゲームオーバー→終わり→尾張→名古屋」なんてものもあった。
以上のことを鑑みると、この珍妙なオカルト技の性能が見えてくる。
「ナゴヤアタック」は主に至近距離の射撃系の兵装を無効化するものであり、近接攻撃の無効化はほぼゼロ距離でのみ適用されるのでオマケ程度に考えた方がいいというものだ。
加えてこのオカルト技の効果が適用されている間はアールバイパーの防御力が著しく低下しており、ちょっとでも攻撃の無効化に失敗すると壊滅的なダメージを受けてしまう。
流石に何でもいなせるほど万能の技にはならなかったか。ではどうする? 一度体勢を立て直すか? 否! 慧音とてあれだけの攻撃を受けてヘロヘロになっている。ここは慧音にこの技の弱点を見破られる前に勝負を決してしまった方がいいだろう。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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