椛「ですが、どうして妖怪の山へ?」

盾を構えながら前方の様子に神経を集中させながらも、顔なじみの白狼天狗が俺に話しかけてくる。

貴方「紫色の玉を探しているんだ。オカルトボールといって何かしらの異変の元凶になっている。この辺りにあるらしいことまでは分かっているんだが……何か情報はないか?」

そうやって問うてみたが、彼女はボールなど持っていないし、答える声もどこか力がない。

椛「いえ、私は何も。文様やはたて様も奇妙なボールについて調べて回っているそうですが、あまり芳しい結果は残せていないようです。あ、でも……」

何かを続けようとした椛であるが、再び口をつぐんでしまった。オカルトボールの件との関連がないとでも思ったのだろうか。

貴方「何か変わったことがあったのか? もしかしたら意見解決の糸口になるかもしれない。どんな情報でもいいから教えてくれ」

真剣なまなざしで俺は彼女の赤い瞳を直視し、情報を乞うた。

椛「私見たんです。河童達に大きな建物を作らせている山の神様の姿を。そして厳重に梱包された『何か』を運び込むところも見ました。それが貴方達の探しているボールなのかまでは分かりませんが……」

白狼天狗は非常に目がいい。見間違いという事はないだろう。何かろくでもないことを計画している気がしてならない……。よし、これで次の目的地は決まった。

貴方「守矢神社に向かうつもりだったが……予定変更だ。椛、その建物とやらに案内してくれ。これも命蓮寺の本尊を救い出すためだ」

白狼天狗達に導かれて怪しげな建物が俺にも見えるくらいの距離までたどり着いた。椛たちが異変にかかわっていないのなら巻き込むわけにはいかない。俺は白狼天狗と別れるまで、しばらく建物の前で息をひそめていた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら