至近距離で青い刃を受けた早苗さんは大きくバランスを崩しながら、逃げていく。追撃せんとこちらもツインレーザーを放ちながら追いかける。出鱈目に乱反射される青い棘は彼女の動きを鈍らせている。

早苗「かくなる上は……!」

ガントレットの周囲に風変わりなクローが3つ展開される。本体の周囲をぐるぐると回転するそのオプションは紫色の球体であった。アレはクローじゃないぞ、オカルトボールだ!

早苗「オカルト技を使わせてもらいますっ!」

展開していたボールのうちの1つが鈍い光を放ったかと思うと、鈍色をした板を回転させながらこちらに押し付けてきた。

貴方「この鈍い色をした板はもしや……バキュラか?」
早苗「むぅ、やっぱり一瞬でバレてしまいましたね。256発攻撃を当てればちゃんと壊せますよ。名づけて『バキュラ256』。もっとも、そんな余裕があればの話ですが……」

自らを守るようにバキュラを展開する早苗さん。これではなかなかダメージを与えることが出来ない。あの状態の早苗さんに攻撃するには爆風が発生する兵装、あるいは貫通する兵装が必要だ。よし、菊一文字を用いてバキュラごと串刺しにしてやろう。

その射程内に入るために俺は銀翼を接近させる。しかし、彼女は予想だにしない行動を取り始めたのだ。

早苗「『バネ仕掛けの16連射』!」

別のオカルトボールが光り出したかと思うと、まるで俺が接近してくるのを予測していたかのように5方向に凄まじい勢いで青白いショットを連射していたのだ。さらにそれぞれが光学兵器であるらしく、周囲のクリスタルで乱反射し、恐ろしいまでの弾速を持った弾幕になっている。

貴方「ぎゃあっ!?」

どういうことだ? 今のは恐らく外の世界のゲーム名人「高橋名人」の得意技と彼にかけられたインチキの疑惑(ちなみに彼はシロです)をモチーフにした都市伝説であろうことは分かったが、早苗さんはオカルト技を2種類使いこなしていた?

複数方向から被弾したアールバイパーは出力を低下させる。ぐっ、このまま撃墜されてたまるか! 俺は低空から今も16連射を続ける早苗さんを睨みつけ、この状況を打破する方法に思索を巡らせる。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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