そうやって攻めあぐねていること数分……。遂に神奈子がしびれを切らした。

神奈子「当たらないものだな。チョコマカとすばしっこいヤツめ。ならば、私も都市伝説とやらを使わせてもらうぞ!」

フンと鼻息を鳴らすと神奈子の背中から白い大蛇が飛び出してくる。どうやら飛行能力を持っているらしく、アールバイパーを取り囲むようにその胴体を動かしていく。あくまでこちらの動きを拘束するつもりのようだ。

貴方「都市伝説も何もただのドラゴンじゃないか。こういうのは頭を撃ち抜くって相場が決まってるんだ。覚悟しやがれ!」

兵装をショットガンに変えながら、大蛇がこちらに喰らいつくよりも早くその頭の前に躍り出た。よし、ここでぶっ放せばかなりのダメージを見込める。どれ、奴の瞳も恐怖色に染め上がっている筈だ。

しかし、それがまずかったようだ。大蛇の瞳、その奥は何か真っ白くて細長いものがうねうねと動いていたのだ。

その直後だった、全身に力が入らなくなり、アールバイパーは勝手にあらぬ方向へ向いてしまう。

神奈子「はははは! 引っかかったな。私の使う都市伝説は『くねくね』だ。その本体はこの大蛇そのものではなくて、瞳の方。『くねくね』を近距離で見てしまったものは狂ってしまうそうな。どうも私が使うと精神ではなくて神経系に異常をきたすようだがな。どうだ、全身が痺れていう事を聞かないだろう?」

これじゃあ「くねくね」というよりかは「メドゥーサ」じゃないか。何とか無理にでも体を動かそうとしてもあらぬ方向へしか動いてくれない。

神奈子「お前なら、○○なら龍の形をしたものをけしかければきっと頭に向かうだろうということが分かった。だからそこに『くねくね』を仕込んだのさ」

なんということだ。指一本すら動かせない。トリガーを引けなければ反撃することも出来ない。ああ、俺はここで負けるのか……。

神奈子「これも幻想郷の為なんだ。悪いけれどこの工場を潰させるわけにはいかないのだよ……。さあ、君の集めたオカルトボールは重要なサンプルになる。いただくとしようか」

手にする御柱が思い切り振りあげられ、そして今まさに俺を銀翼ごと叩き潰そうとしている。俺は恐怖を感じたものの、瞼すら動かせず目を閉じることも出来なかった。ただただ最期の時を目にすることしかできないのだ。うぅ、俺はここまでのようだ。星、ごめんよ……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

お気に入り登録登録済み一覧

セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら