再び御柱をこちらに向けようとした最中、うめくような微かな声が神奈子を呼び止めていた。
妹紅「待て、ちょっと待てよ……」
まだ仕留めていなかったかとうんざりした面持ちで神奈子は声にした方を向く。
妹紅「このままじゃあ幻想郷がアンタのやりたい放題になっちまう。勝負には敗れたけれど、そんな世の中はあたしゃまっぴらごめんだぜ。こんな、こんな……」
妹紅の身体がまばゆく輝き始めた。ま、まさか……! 嫌な予感しかしなかった。
妹紅「こんな世は燃え尽きてしまえ!」
そう、妹紅本人が爆弾となり、そのまま周囲を焼き尽くしたのだ。こんなことは炎を操る蓬莱人である彼女にしかできない芸当である。その衝撃に周囲は大きく震えた。吹き出す火炎があらゆるものを焼き尽くし、そして一つの大きな爆発は他の爆発を誘発し、この広大なオカルトボール工場全域にまで広がるまでにはそう時間がかからなかった。
神奈子「やってくれたな! 今ので中枢が完全にイカれちまった。じきに大爆発するぞ!」
その身を挺して任務を遂行したのだ。最後に爆ぜた時、妹紅は一体何を思ったのだろうか? まあ蓬莱人だからまた復活するけど。
さて、物思いにふけっている場合ではない。周囲がドカンドカンと爆発する中、我が銀翼は神奈子と共に最高速度でこの工場を離脱。そのついでに大破した早苗さんの戦闘騎をリフレックスリングで回収すると、あとはひたすら来た道を戻ることにした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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