妖怪の山の一角、真新しく巨大な建物は炎に包まれ、そして最後は大爆発を起こした。

貴方「終わったな……」

夕陽に照らされながら俺は恐ろしい野望のなれの果てを横目でちらと見て、そのまま安全な場所まで移動したのちに着陸した。

掴んでいたガントレットをそっと地面に置き、早苗さんも解放しようとキャノピーを開けようとした。だが、爆発音ではない別の轟音が聞こえてくる。

振り向くと爆発炎上したオカルトボール工場から何やら細長くて先端がとがっている何かが飛んで行こうとしているのだから。アレは何だ? 希望的観測なら脱出用ロケットといったところだろう。ははは、神奈子さんってばコレがあるのに慌てて俺と一緒に脱出してしまったわけだ。そうだよね、そうに決まっている……。

早苗「あー、神奈子様。アレってもしかしてもしかすると……」
神奈子「うむ、非常にマズい」

しかしあのロケットについて何か知っているであろう二人はかなり焦っているようだ。ま、まさかミサイルだなんてオチはないだろうな……。

神奈子「アレはオカルトボールの複製を弾頭にした長距離ミサイルなのよ」

なんだって!? 俺は反射的に神奈子さんの胸ぐらをつかんでいた。「どうしてそんな物騒なものを用意した?」と問い詰めながら。

神奈子「これには深い深いワケがあってだな……。恐らくさっきの蓬莱人が中枢で好き勝手に暴れたから、その拍子で発射されてしまったんだ! それにこうやって言い争っている場合ではない」
貴方「どういうことだ?」
神奈子「あのミサイルはまだ照準を設定していないんだ。だからどこに落ちるか分からない!」

驚愕のあまり掴んでいた腕から力が抜ける。そのまま神奈子はドサリと地面に倒れ込んだ。

早苗「あわわ……大変です! あんな大きいものがもしも人里なんかに落ちたら……」

こうなったら大気圏を突破する前に撃ち落とす他ない。俺は発射され始めたミサイルを追いかけるべく全速力で飛翔した。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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