神奈子「オカルトボールの異変、その真相に私達は気が付いてしまったからだ。○○、今まで集めたオカルトボールを見せてほしい」

俺は白蓮さんから得た1つ、にとりから得た1つ、慧音先生から得た2つ、そして妹紅と神奈子から得た2つを見せる。

神奈子「それで全部かな? これらは全て幻想郷の物質ではないんだ。ナスカの地上絵、ストーンヘンジ、黄泉津比良坂……。どれもこれも外の世界でパワースポットと呼ばれる場所で取れたものだ。長い間外界にいた私にはすぐに分かったよ。○○、これが何を意味しているか分かるかい?」

博麗大結界に阻まれている筈の幻想郷に外の世界のものが混じってきた。外の世界のものが忘れ去られて無縁塚に流れ着くことはあれど、このオカルトボールに関してはただのゴミとはとても思えない能力を有している。

神奈子「……侵略者だ。外の世界から幻想郷を侵略しようとしている奴がいる。恐らくは物珍しいボールを『集めると何かが起こる』という噂と一緒に少量ばら撒いたんだ。そして私達にそのボールの取り合いを促すことによって戦いに明け暮れさせ疲弊するのを待つという算段だ」

そういえばボールを集めて大きくなろうとしていた小人がいたり、宝物として大事に飾っていた人魚なんかもいたな。

神奈子「そこで私は手に入れたオカルトボールを解析して、量産することを思いついた。一つのボールに一つの都市伝説が封じ込められているんだ」

それで早苗さんは3つの都市伝説を使いこなしていたのか。神奈子さんはさらに続ける。

神奈子「数が増えて皆がオカルトボールを手にすればボールの取り合いによる争いもなくなるし、いざ外界から侵略者がやって来てもこの量産型オカルトボールを用いて弾幕の心得の無い人も戦えるようになる。まさに一石二鳥の計画だったのだよ」

悲観に暮れたように神奈子さんは最後にこう締めくくった。

神奈子「そして戦争が膠着し、このふざけたボールをばら撒く犯人の居場所を特定したら、都市伝説の力を満載した巨大オカルトボールを仕込んだミサイルを撃ち込み、恐怖一色に染め上げる。完璧な計画だった筈なんだ! だがその計画も潰えてしまったよ。連中に対抗するべき兵器を量産する手段も、使いたくなかった最後の切り札も私は全て失ってしまった……」

何かただならぬ能力を秘めているであろうオカルトボール。まさか外界にまで影響が広がるだなんて誰が想像できたであろうか。そしてその対抗策を俺と妹紅は何も知らずに潰してしまった……。どうすれば、俺はどうすればよかったんだ……?


くくく、ふふぉふぉふぉふぉふぉ……



後悔の念に苛まされていた矢先、どこからか聞きなれない声がこだましていた。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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