貴方「その声は……。間違いない、妖怪の山で足をくじいていたご婦人。いや、そのご婦人に化けていた狸!」

驚く俺達の顔を覗き込むと「ほっほっほ」と実に愉快そうに笑い声をあげる。

マミゾウ「いかにも。妖怪の山で足を挫いて動けなくなっていたか弱い人間の女性じゃよ。してその正体は『二ツ岩マミゾウ』!」

あの時からか。俺と白蓮さんを分断させて一人ずつ始末しようと……。

マミゾウ「しかしまあ予想通りじゃの。あの尼僧サマなら道中で困っている人には絶対に手を差し伸べるし、お主なら大切な人に危機が及ぶと知るや否や真っ先にすっ飛んでくる。そう踏んでおったのじゃが、綺麗にはまり込んだの」

ぐっ、完全に行動を読まれていたという事か。

貴方「それで俺を博麗神社にまで呼びつけて何をしようっていうんだ?」
マミゾウ「決まっておろう。お主の持つオカルトボール、それをいただくためじゃよ。それも、ここ博麗神社で」

得意気にそう言うと、マミゾウはオカルトボールを見せてきた。そ、そんな事の為に、白蓮さんをあんな目にっ……!

貴方「ならば目的はもう果たしたはずだ。白蓮さんを安全な場所に移動させてくれ」
マミゾウ「ふほほほ、そうしたいのは山々なんじゃがのぉ……出来ぬ」

さっきから此方をおちょくる様にのらりくらりと問答をかわしていくマミゾウ。

貴方「なんだと……!」
マミゾウ「神様と暑苦しい蓬莱人があの周りで暴れておってのぉ。怖くて近寄れん」

見ると神奈子と妹紅が他の化け狸どもを蹴散らしている。おそらくマミゾウの手下か何かだろう。

神奈子「ぐっ、チョコマカと……」
妹紅「キリがないねぇ……」

1匹1匹では大したことなさそうだが、その数が圧倒的であり、物量に押されている。その数はさらに増していき、神奈子たちが押され始めていた。

妹紅「イテッ! 後ろかっ」

小さい木槌で妹紅の後頭部をぶん殴った化け狸。その衝撃で妹紅がバタリと気絶する。更には神奈子の背後にも大きな木槌を持った狸が忍び寄りつつあった。

早苗「神奈子様っ、後ろ!」

反射的に飛び出したのは早苗さん。俺も加勢しようと神奈子を狙う化け狸をロックオンサイトに捉える。

だがしかし、これは、これこそがマミゾウが俺に仕掛けた罠であったのだ。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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