さあ、反撃だ。遠距離では厄介な飛び道具を使ってくるゆえに接近戦を試みることにした。レイディアントソードを構え、一気に接近する。いまだに銃を構えていた菫子は驚いて今度は案内標識を取り出そうとするが、もたついているようだ。
貴方「喰らえっ、『レイディアントソード』!」
二度、左右に薙ぎ払った後に青い剣を突きだして突撃。一方の菫子は両手をバタバタと振り回して反撃しているようだ。なんだかポカポカポカと効果音が鳴りそうな動き。しまいにはお尻に全体重を乗っけて体当たりまで仕掛けてくる。どうやら近接戦闘は不慣れなようである。
今度は逆回転リフレックスリングで菫子を捕えると、ブンブンと振り回し、近くのビルへと叩きつけてやった。これは効いただろう。菫子はフラフラとしている。
菫子「うぐっ、こうなれば……念力『サイコプロージョン』!」
ふむ、どこからかスペルカードによる決闘のルールについて知識を得ているらしい。紙切れを取り出そうと声高らかに宣言を始める。周囲の空気がわずかに歪み始めると、紫色の爆発を引き起こす。爆風にあおられ、アールバイパーが大きく揺れた。
貴方「ぐうっ! 直撃を免れてもこれだけのダメージを受けるとは……」
やはり超能力者としては超一流である。これなら幻想郷の研究なんかに興味を持たずに、エスパーとして生きて行けばいい生活が出来ると思うのに……。俺の脳裏にそんな考えがよぎっていた。そう、戦闘に関係のないことが頭によぎるほど、この戦闘は楽であったという事だ。
貴方「お前の超能力は確かに強力だ。だが、お前は弱いな」
少し弾幕を交えて俺が抱いた感想である。
菫子「弱いですって? 負け惜しみはみっともないわよ!」
貴方「いいや負け惜しみではない。一つ一つの挙動に素人臭さが抜けきっていない。平たく言えば、戦い慣れていないからお前は弱い」
怒りに身を任せ、サイコキネシスでゴミ箱を引き寄せた菫子はそのままこちらに飛ばしてくるが、俺は難なく剣で斬り伏せてしまった。
貴方「お前みたいなのが幻想郷に行っても、生き残れないだろう。もって数日、下手すりゃ朝日を拝めるかどうか……。ああ、エスパーの技術は満点さ。だが『外』でのうのうと生きてきたお前には決定的に足りないものがある。それは、何をしてでも生き抜こうという執念深さだ。俺とお前ではそこに決定的な差がある!」
ああ、俺だって元々は「外」の住民だった。だが、我が相棒たるアールバイパーと共に幻想入りを果たしてからは、波乱の連続であった。大妖怪である八雲紫に命を狙われ、バクテリアンやバイドとの死闘を繰り広げてきた俺だ。生き抜いてやるという意思が外の世界にいたころと比べて桁違いに大きくなっているのが自分でも実感できていたのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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