鉄塊がバラけたかと思うと、全方位から一度に銀翼に襲い掛かる! ガツンと強烈な衝撃が走ると、それが致命傷となったのか、みるみる出力が低下していく。だめだ、アールバイパーが落ちていく……。そのまま動力が復活することなくアールバイパーは瓦礫の山に突き刺さる様に墜落してしまった。再びコクピットに衝撃が走り、うめき声を上げる。

貴方「くそっ、まだ終わっちゃいねぇ……」

反撃を行うために、バイパーの再起動を試みるが、動力が完全にイカレてしまったようで、再びエンジンがかかることはなかった。悪態をついていると、懐から7つのオカルトボールが飛び出し、キャノピーをすり抜けていった。そうか、俺は菫子に負けたから、そのままオカルトボールも彼女の元へ飛んでいくわけだ。俺が敗北したという事実を否応なしに突きつけられたのである……。

菫子「おお、これぞ幻想郷で血塗られて大きな力の凝縮されたオカルトボール! これだけ力を溜め込んでいるのなら、今度こそ幻想郷への扉が開くに違いないわ! さっそく儀式の用意をしなくちゃ」

「待ちやがれッ!」俺はそう叫ぶも、だからと言って何かが出来るというわけではない。まさに負け犬の遠吠えである。そんな俺を尻目に菫子はオカルトボールを7つ空中に浮かばせながらゴミ捨て場から飛び去っていった。

頼みのアールバイパーも動力を失ってしまえばただの鉄くずである。この中にいても事態が好転しないので、リデュースを解除して機体から降りることにした。ダメ元で宝塔型通信機を取り出し、白蓮と通信できるか試みてみる。

貴方「こちら○○。外界で撃墜された。救助を頼む。繰り返す。外界で撃墜された。救助を……」

白蓮に、一輪に、早苗さんに、マミゾウに、いやこの際(取り乱していた)紫でもいい。幻想郷の誰かにこの通信が届くことにわずかな希望を託し、俺は救難信号を出し続ける。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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