しかしいくら通信機の前で声を張り上げても、非情にもノイズが響き渡るだけであった。それでも向こう側(幻想郷)に声が聞こえている可能性にかけて、俺は諦めずに声を発し続ける。

そうだ、少しでも電波の入りそうな場所に移ろう。俺は山のように積み重なったガレキによじ登ると再び通信を試みる。

貴方「助けてくれっ! 異変の黒幕に撃墜された。アールバイパーはもはや動けないっ!」

……駄目か。まったく向こう側からの通信が入らない。声を張り上げ続けて疲れてしまった。俺はガレキの山を下りると、アールバイパーの所まで戻ろうとする。その時、何かがキラリと光るのを見た気がした。

こんな人気のない深夜のゴミ捨て場に光が灯るなんておかしい。何事かと俺はその小さな光に吸い寄せられるように、進んでいった。ガレキをかき分けながら光の出所を追っていると、何やらすすり泣いているような声までしてきたではないか。

貴方「ゆ、幽霊!?」

宝塔型通信機のわずかな灯りで暗闇を照らしながら、さらに進んでいくと、すすり泣く声と光がさらに大きくなっていく。そして俺は光の出所に到達した。この特殊な形状は見覚えがある。今俺が手にしている通信機の元となったモノ。つまり本物の宝塔であったのだ。そして、すすり泣く声の主は……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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