星「ひっく……ぐすっ……。聖ぃ、みなさーん、どこへ行っちゃったんですか……」

あの黒髪の混じった金髪を見間違うはずがない、星ちゃんだ! あちこちが汚れている我らが本尊がすすり泣いていたのだ。俺は思わず声を上げる。

貴方「こんな所にいたのか! ほら、宝塔をまた落としているぞ?」

本物とレプリカの宝塔を手にする俺の姿を確認した星ちゃんは目を見開いている。そしてその直後、思い切り抱き付いてきた。

星「あーん、○○さーん! 心細かったよぉー! 急に見たことのない場所に出てきちゃうし、ここの人たちは皆冷たいですし……聖も貴方も他の寺の皆さんの姿も全然見えませんし……ぐすっ、ひっく……うぇ~ん!!」

大泣きする星ちゃんの頭を撫でながら抱き返す。そうやってしばらく抱き合い、彼女が落ち着いたところを見計らい、何が起きていたのか、そしてこれから何が起きようとしているのかを説明した。

星「それでは、私は7つ揃ったオカルトボールを手にしていたせいで、幻想郷の結界を破壊しながら外の世界に飛ばされてしまったってことですか?」
貴方「ああ、全てはそのボールの性質を利用して幻想郷の結界を壊しながら侵入しようとする外界の人間『宇佐見菫子』が仕組んだことだったんだ。妙な噂を流して幻想郷の住民同士を戦わせ疲弊させるのと同時に、ボールに力を蓄えさせる。その力をため込んだオカルトボールを手に外界に放り出された幻想郷の住民を倒し、ボールを奪うことで、幻想郷へ侵入するつもりだ」

そこまで言うと俺は星ちゃんから視線を逸らして続ける。

貴方「そしてたった今、菫子は幻想郷へ侵入する手段を手に入れてしまった。この俺から力の蓄えられたオカルトボールを奪い取ったことによってな」

そこまで聞くと焦りながら手をバタつかせる星ちゃん。

星「あわわ……。そんなことされては大変ですよ! すぐに追いかけてオカルトボールを取り返しましょう!」
貴方「しかし、俺のアールバイパーは動力をやられてしまって飛べなくなってしまった。追いかけようにもこれではどうしようもない……」

今も瓦礫に突き刺さった銀翼に目をやると俺はため息をつく。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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