ここは魔神復誦で……いや、それではきっと火力が足りない。このバジュラモードをもってしても普通の魔神復誦では倒しきれない、俺の勘がそう告げている。ならばどうするか……。

貴方「普通に魔神復誦を使っても倒しきれない上にバジュラモードが解除されてしまう。ならば、オーバーウェポンで強化すれば……」

バジュラモードでのオーバーウェポン、それも俺が考えているのは電池の直列繋ぎ。つまり禁術とされる「オーバーレイド・オーバーウェポン」による重ね掛けからの魔神復誦。

万が一仕留め損なうと菫子は幻想郷に到達してしまう。焦ってはいけない、焦っては……。

貴方「ここまで本気にさせたことを後悔させてやる。発動するぞ、禁術……」

まずは通常のオプションに宿った魔力を取り込む。急な魔力の変動に俺の体が拒絶反応を示し始めた。激しい吐き気と視界がチカチカするほどの激しい頭痛が襲い掛かる。

貴方「『オーバーレイド……」

次にネメシスに宿った魔力を一気に取り込む。それに伴いコクピットで踊っていた魔人経巻の模様に激しいノイズが走り、チカチカする視野を持つ俺の脳にさらなるダメージを与える。

もちろんアールバイパーとて無事ではない。恐らくはフォースフィールドを展開していなけば俺もバイパーも溢れる魔力に耐えられずに爆発四散していただろう。だが、まだ終わらない。それどころか準備段階なのだ。

貴方「『オーバー……ガハッ!」

最後にコンパクから彼女の持つ魔力を全て貰う。俺は吐血していた。恐らくは魔力に晒されて変質してしまったドス黒い血。いかに今俺が取り扱っているモノが人ならざるものを象徴するものかであることを思い知らされる。

そして吐血と同時に俺の両腕のアザからおびただしく出血。もちろんこちらも赤黒い。だが、いよいよ準備は整った。

菫子「遅すぎる! すでに博麗大結界に穴が開いたわ! 私の勝利よ。これで遂に幻想郷へ……」

させるかぁー! 血走った眼で菫子を捉えると、腕の痛みも頭痛も一切合切無視して、ただただ標的を睨みつける。

バチッバチッと魔力があちこちでスパークしており、紫色のフォースフィールドにひびが入ったかと思うと、それが崩れ落ちてしまった。

貴方「貴様だけはここで倒さないといけないっ。たとえ刺し違えたとしても……だ」

ついにバキンと鋭い音を立てて、コクピットにまでひびが入る。アールバイパーももう悲鳴を上げている状態だ。決めよう、これ以上時間をかけることは許されない。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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