ブラッディーゲートの機能が停止する。
青い目玉が灰色に濁ると中から赤毛の門番がヨロヨロと出てきた。

貴方も「アールバイパー」を降り、涙ながらに声を絞り出す美鈴の耳を傾ける。

美鈴「私はただ……名前を蔑にされたことが……、散々『中国』だの『ほんみりん』だの言われるのに我慢が出来なくなって……、ちゃんと名前を覚えてもらいたくて……、異変を起こして有名になろうって……」

咲夜「そ、そんなどうしようもない理由で……」

喰いかかる咲夜を制止する貴方。それを許してしまっては異変を起こしてまで、心の叫びを大きく上げた意味が無くなってしまう。

名前、折角の名前を蔑にされ侮蔑の言葉をぶつけられる毎日、きっと耐えがたいものだっただろう。
貴方は何度もバクテリアンの脅威から守ってきた神話の銀翼「ビックバイパー」が頻繁に「ビッグバイパー」と名前を間違われていたことを思い出し、共感していた(ついでに「ビッグコア」が「ビックコア」とよく間違われる件も頭の隅っこで思い出していた)。

白蓮「貴女の言い分は分かりました。美鈴さんの悲痛な叫びは皆さんにもちゃんと伝わったはずです。皆さんもこれからは彼女を正しい名前で呼びかけるように……あら?」

白蓮が後ろを振り向くが、貴方以外には誰もいなかった。
気がつくと、機能を停止した「ブラッディーゲート」を通り抜け、紅魔館の住民と紅白巫女がなだれ込んでいた。

パチュリー「どこかに黒幕がいるはず。中国がこんなマシンを作れるはずがない!」

霊夢「こんな手の込んだことするのは河童かしら? あの門番がキュウリで買収したとか」

貴方はただ悲痛な叫びを聞き入れてくれなかった哀れな門番の肩を叩いて慰めるくらいしか出来なかった。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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