紫「今日は比較的結界が安定するので、外界に安全に向かわせることができるわ。それで貴方を外の世界に返そうと思うの」
思わず声を上げてしまう。確かに外界が恋しいとは思ったが、外界に帰ってしまうことは白蓮と、そして命蓮寺のみんなとお別れする事を意味する。
紫「……といっても一時的に、そして条件付きでよ? 今や貴方は、謎だらけの『アールバイパー』を唯一扱える存在。貴方は幻想郷に無くてはならない存在。そのことをお忘れなく」
懐から扇子を取り出し、話を続ける。
紫「まずは……白蓮、あなたも外界へ向かいなさい。その服を渡したのはそのためだったの。ああ、分かっているとは思うけれど、空飛んだり魔法使ったりは禁止よ。
そして○○を決して一人にしてはいけない事。手でも繋いでいれば絶対にはぐれないわ。
次に外界に長く滞在し過ぎない事。24時間をタイムリミットとするわ。一日経つとまた結界が不安定になって幻想郷にしばらく戻れなくなってしまうの。
ああ、言うまでもないけれど『アールバイパー』を持ち込んだら駄目よ。あんなの飛んでたら外の世界でもパニックに陥るわ。ええと、これで全部だったかしら、藍?」
後ろで付き添う九尾の狐が無言でコクリと頷く。
紫「それじゃあ最後にもう一つ。……私にお土産買ってきて。それじゃあ外界への道を開いてあげる」
紫から提示された約束事は至極まともなものであった。最後がちょっと蛇足だったが、こうやって里帰りの機会をくれるのだから、それくらいのお礼はしないといけないだろう。
俺たちの目の前に無数の目玉がのぞく空間が広がる。何度見ても慣れない恐ろしげな光景。俺は白蓮の手をそっと繋ぐと意を決してスキマに飛び込んだ。
紫「行ってらっしゃい。二人っきりの素敵な旅を。……くすくす」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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