???「……さんっ。……さんってば!」
誰かが俺の名前を呼んでいる。我が体を揺すぶる不思議な夢の世界から呼び覚まさんと大きな聞き覚えのある声が今も鼓膜に響いている。
???「……さんっ! このままじゃ遅刻しちゃいますよ? 早く起きてください○○さんっ!」
むにゃ、遅刻? そりゃあり得ない。俺の家から学校は目と鼻の先。遅刻があるとすればそれはもう始業のベルが鳴る5分前とかそういうレベルの大遅刻である。
それでも声は大きくなるばかり。これ以上は眠れぬと判断した俺は眠い目をこすり時計に目をやる。うぅ、昨夜はやたらと疲れる夢を見たせいで目覚めがあまり良くない。
時計の針は7時過ぎを指していた。秒針も問題なく動いている。念には念を入れてテレビをつけて朝のニュース番組も見てみる。ニュースキャスターが淡々とニュースを読み上げている。何でも「星天の光」の構成員を名乗る男が武器を手にしてマンションに立てこもっていたとかなんとか……。
確か「星天の光」ってのはかつてこの町を脅かしていたテロリスト集団であったが、十数年前に暴動を起こしたっきりパッタリと活動しなくなり、その時に壊滅したのではないかと言われてた筈だ。
そんな中、「星天の光」なる言葉を男が口走ったことでテレビはその様子をセンセーショナルに報道しているようだ。立てこもり事件そのものは既に解決されたことをいいことに、胡散臭いコメンテーターが適当なことをくっちゃべってる。まったく、朝っぱらからヘビーなニュースを報道しやがるものだ。
とにかく、時計は問題なく機能しており、寝坊などしなかったこと、むしろ早く起き過ぎてしまったことを確信した。ついでに(少々目覚めは悪いものも)しっかり目を覚ましているということも。
貴方「おいっ、この時間から遅刻とかありえないだろっ!」
それでも俺の名前を呼び続ける声は止まらない。しびれを切らし、このおっちょこちょいな我が幼馴染の目を覚ましてやろうと玄関の扉を開く。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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