貴方「やっぱりお前か早苗。まだ7時過ぎてちょっとじゃないか」
明るい緑色の長髪が眩しい。今はしかめっ面だが普段は愛嬌のある笑顔を振りまく少女である。こいつは「東風谷早苗」。守谷神社というこの町の大きな神社の一人娘であり、巫女さんでもある。普通巫女さんといえば緋色の袴姿なのだが、あの神社ではなぜか青い袴である。
普段は神社から少し離れたところに住居を構えており、俺の家とは向かい合わせなのである。そんなわけで幼稚園の頃からずっと同じ組だったりクラスだったり、神社の広い境内で駆け回って遊んでたり、最近はゲーセン巡りをしたり……。まあ平たく言えば俺の幼馴染、切りたくても切れない腐れ縁。
早苗「なんか失礼なこと考えていませんか? それよりももうそろそろ出発しないと遅れてしまいますよ?」
まだ言ってるよ……。
貴方「さては寝ぼけているな早苗。俺達の『星天郷学園』はすぐそばだろう? 走れば5分もかからない」
早苗「寝ぼけているのは○○さんの方ですよっ! 今年から『星天郷学園』はなくなって私達は今日から姉妹校である『幻想郷学園』に通うんでしょう? もうそろそろ出発しないと本当に遅刻してしまいますっ!」
あっ……。なんということだ。そのことをすっかり忘れていたぞ。
「星天郷学園」……。この国をとても気に入ったとある外国の大富豪が設立したという私立学園。その自由な校風がウケて一時はマンモス校にまで上り詰めたものの、元々俺たちの町はそんなに都会ではなく、人口の過疎化が進みとうとう去年に姉妹校である「幻想郷学園」と併合するという形で消えてしまったのだ。
俺と早苗はそのわずかに残った「星天郷学園」の最後の生徒の一人である。せっかく一年通い続けたのに母校がなくなってしまったのである。
そして幻想郷学園の場所は今までの我が母校に比べてかなり距離のある場所にある。つまり……。
貴方「やっべぇ! 早苗、すぐ着替えるからちょっと待ってろ!」
初日から遅刻とかシャレにならないぞ!
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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